悲哀ノ呼吸 【鬼滅の刃】

参拾捌 ページ40

…おかしいな。





私は、膝に埋めていた顔を上げた。








何かがおかしい。

部屋を見渡す。なんだろう。


さっきは久しぶりだったからかと思ったが、やはり何かがひっかかる。





私は、立ち上がった。


…んー、なんだろう。何が違うんだ？







私が唸っていると、外から叫び声がした。








「キャー！！！！！」



私は素早く外に出た。
悲鳴が聞こえた方に向かう。



そこには、鬼と赤ちゃんをかかえた一人の女性がいた。





女性と目が合う。


「た、助け…。」


っ！！！







なんだろう。この感じ。

直感的に何かを感じた。
この人何処かで見た。何処かは分からないけど、見た。



鬼が女性に向かっておそいかかる。
女性は咄嗟に赤ちゃんを抱き締め、ダメッ！！この子は！！と叫んだ。





…＿＿＿＿いいな。





いや、こんなこと思ってはいけない。
私なんかが、愛されては、いや資格など、






私は、ギリギリの所で二人を鬼の目の前からさらった。


「…あ、ありが、ありがと、ございます。」


「…ぃぇ、」




私は、少し遠くの位置に、でも何かあったときに駆けつけられる位置に下ろすと、鬼と向き合った。





…すぐ終わるだろう。
なんとなく感でわかった。

終わったら二人を安全な場所までつれていかないと…。




鬼は一匹。

相当喰ったんだろう気配だったが、下弦にも及ばないレベルであった。

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