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参拾肆 ページ36

「どうかな?頼まれてくれるかい?」



「…はい。」



目の前のお館様に頭を下げる。
お館様は、優しく微笑んでいた。


お話の内容は、今日の任務の変更と護衛任務についてだった。



今日の任務の変更に関しては、
なんでも、今任務中の隊員から応援を頼まれたとか。

その山では鬼が異常発生していて、このままでは危ない、とのことだった。



そして、護衛任務とは、お館様の御子息 輝利哉様のであった。

お館様の家系は、代々お体が弱い。

そのため、まだ健康に動けるうちに輝利哉様に町の風景や隊士達の普段の様子等を自分の目で見させたい、とのことだった。


「…慎んで、お受け致します。」


「それは良かった!」




では、そろそろ、と任務に向かおうと腰をあげかけた。



「A」



「…、は、はいっ」



驚いた…。
バクバクと、心拍数が上がった。




「…私はね、心配なんだ。」


「…え?」


何が?
任務をこなせるか?護衛任務を成し遂げられるか?このまま柱にしておくのが?


「…すみま、せん。
お館様の御期待に添えるよう、鍛練を欠かさず」


「ん?嗚呼違うよ。大丈夫。
Aは強い。

そうではなくて、」


お館様はそこで一旦きった後、
一呼吸おいてから続けた。


「私はね、Aの呼吸については理解もしている。


だがね、自分を傷つける行為に賛成をしている訳じゃないんだ。」


心臓がドクンッとなった。



「何も、今すぐやめろとは言わない。


けど、私も他の柱も、心配しているんだよ。」




っっ!!



心配…?私なんかを?
そんな、私なんか心配されたって、どうにも、何も、返せない…。


涙が、溢れそう。


「もう少し、周りを頼るんだ。

皆は、Aが思っているよりずっと身近で温かいよ。」




お館様はそういって、微笑んだ。


私は、泣かないように、目に力を込めながら言った。




「…善、処しますっっ。」


「うん。」


「…それでは、失礼致します。」



私はそういって、無礼ながらも、
逃げるように産屋敷邸を出ていった。

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- ゆきえさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります! (2019年11月3日 23時) (レス) id: c63990faea (このIDを非表示/違反報告)
- ゆきえさん» ありがとうございます!!これからも頑張ります! (2019年11月3日 23時) (レス) id: c63990faea (このIDを非表示/違反報告)
ゆきえ - こんばんは、読んでみたら凄く好みでした。更新頑張ってください! (2019年11月2日 22時) (レス) id: 7a259da409 (このIDを非表示/違反報告)
- 零さん» コメントありがとうございます!! すみません!直しておきます! (2019年10月16日 23時) (レス) id: c63990faea (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメント失礼します!富岡さんは「富」ではなく「冨」ですよ。これからも頑張ってください! (2019年10月16日 23時) (レス) id: da18fbc248 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月9日 22時

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