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ほら、もう寝てる。
弾くのを止めて下を見ると、結愛は俺の太ももに頭を乗せて寝ていた。
思わずニヤケちゃう(笑)
起きてハシャいでる時も可愛いけど、疲れる！(笑)
時々、小悪魔に見えるもん。
子供の寝顔って、何で天使に見えるんだろうね？
チューしたい(笑)
君にも見せたかったなぁ。結愛の寝顔。
どこかで見ててくれてるかな？
「こんばんは。」
声がしたので、見ると……
Aちゃんがいた。
「素敵な音色が聴こえちゃって。お邪魔してもいいですか？」
「え？あぁ………どうぞ。」
彼女は、恥ずかしそうに庭へ入ってきた。
「あ、ちょっと待ってて。」
結愛が寝てしまったので、ちょっと彼女に待ってもらった。
俺は結愛を抱っこし、布団へ連れてった。
戻って来たときには、彼女は縁側に腰を掛けていた。
何て姿勢がいいんだろう……
後ろ姿に、そんな印象が残る。
キッチリとした人なんだろな……
「ごめんね。待たせて。」
俺の声に反応して振り向いた彼女が、この世のモノとは思えないほど美しく輝いていた。満月の光に反射しているせいなのだろうか………
言葉が出ない。
一瞬、心が締め付けられる。
「雅紀さん……？」
ハッ……と意識が戻った。
何、ぼーっとしてんだろ。
俺は、どうかしてる。
彼女は首を傾げて心配してくれた。
「ごめんごめん。気にしないで(笑)」
「結愛ちゃん、寝ちゃいましたね。お邪魔じゃなかったですか？」
「ん？大丈夫。」
俺はAちゃんの隣に座った。
若い女性の隣に座ったのは久しぶりなせいか、少し緊張するかも。
人見知りなせいでもあるんだけどね。
よく『意外だね』って言われるんたけど、人見知りなんです。
「チェロ弾かれるんですね。プロの演奏者なんですか？」
「んーーー………昔ね(苦笑)」
「そうなんですね。家で読書してたら、綺麗な音色が聴こえてきて、気になって来ちゃいました(笑) 雅紀さんの演奏だったんですね。」
「うるさかったかな？ごめんね。」
「いぇ。もっと聴いていたいです。」
「ほんと？」
「はい(笑)」
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作者名：さくらもち | 作成日時：2017年8月15日 22時
