夜空に奏でる六等星 (m.a) (ページ3)

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俺は家に戻って、近所のスーパーで買ってきた食材を冷蔵庫に入れた。

「よし。今晩の食材用意できたっと。」

今日は仕事が休みなので、ゆっくり散歩も兼ねて買い物してきたのだ。
この村は長閑(のどか)で、ゆっくりと時間が過ぎていく。この村が好きだ。

現在、俺は近くにある、小さな郵便局で働いている。
保険や配達なども行っているので、近所のおばちゃん達と仲良くさせてもらっている。
野菜やオカズも貰うことも、しばしば(笑)
結愛は、保育園に通っているので、仕事が終わると迎えにいく。
仕事は早めに終わる。これは、局員の皆さんの優しさのお陰で成り立っている。
いつも、ありがとうございます。

結愛と触れ合う時間も沢山あり、村の人達の優しさに助けてもらっている。

「ゆめー。手ぇ、洗ったぁ？」
「洗ったよぉ。」

手を洗い終えた結愛は、俺に手を見せてきて、めーいっぱい『パー』の手をして『手を洗ったぞー』アピールをしてきた。

「はいはい(笑)」
「今日の晩御飯は、何？」
「ゆめの好きな唐揚げだよ～♪」
「やったーー！！」

結愛は、両手を上げて、ジタバタ走り回った。
可愛いやつ(笑)
娘の行動に毎日癒されている。

晩御飯の料理を始めると、チャイムが鳴った。

「ゆめー。とーとは、今、手が離せないから出てくれる～？」
「はぁーい！」

ドタドタと走りながら、結愛は玄関に出てくれた。

しばらくすると、また走って帰ってきた。

「とーとぉ。」
「誰だった～？隣のおばあちゃん？」
「う～ぅん～。さっきのお姉ちゃん。おばあちゃんちにいた、お姉ちゃん。」
「え？」
「おばあちゃんがオカズ作りすぎちゃったんだって。これ。」

結愛の手に持っていたタッパーを見ると、アジの南蛮漬けが入っていた。
おばあちゃんの得意料理だ。
でも、なぜ、あの女性が？

「お姉ちゃんは？」
「帰ったよぉ～？」

「ゆめ。ちょっと、とーとは、あのお姉ちゃんにお礼行ってくるね。すぐだから待っててね。」

俺は鍋の火を止めて、結愛が危なくないように片付けて、急いで外に出ていった。

外に出ると彼女姿は無かった。