【東リべ】もし肝っ玉据わった女の子が東卍の味方をしていたら (ページ17)

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番外編逃亡犯半間修二ページ17

関東事変

死者3名。逮捕者複数名。逃亡者1名。

大きな戦いが終止符をうち、あれから２年が経とうとしていた。

一条Aはドラケンのバイク屋をイヌピーと手伝っている。高校生になったため、小遣い稼ぎから始めたことだが今ではこの手伝いが気に入っていた。

『このバイク好き』

Aは、漆黒に塗られて紫の線で美しい模様が施された1つのバイクに心奪われていた。

ドラケン｢いいの選ぶなぁ？｣

休憩中のドラケンが水を飲みながら、Aの隣にしゃがんで言った。

『ドラケンクン、このバイクはぜっったい!!売れないように隠しといてください』

ドラケン｢ぁ？なんでだよ｣

『いつかアタシが買うんで!!初めてのバブ!!!』

目を輝かせているAに、ドラケンは優しく微笑んだ。そしてバイクに柔らかく触れる。

ドラケン｢ははっ、なら残しといてやるよ。乗り方も買った時レクチャーしてやるからな｣

『いいんですか!?』

ドラケン｢おう、あたりめーだろ｣

『言いましたね!?約束ですよ!!』

ドラケン｢約束なァ。覚えとけよ、A｣

『はい!!』

※

時計が22時をまわる

外は真っ暗で、月が見えていた

ドラケン｢先行くぞー。気をつけて帰れよ｣

バイク屋の前でそれぞれの家へ帰ろうとした時、Aは店の中に携帯を忘れたことに気がついた。

『ドラケンクン、忘れ物したんで鍵かしてください!!明日はここに1番に来て店開けるんで』

ドラケン｢分かった……マジで、朝起きろよ｣

『ァハハ、頑張ります……』

ドラケンの後ろ姿を見送って、扉の鍵を開けて、開けっぱなしにしたまま店の中へ入っていた。

携帯がどこにあるかの目星はついていた。Aはさっきシャワーを浴びたので、脱衣所のところにあるんだろうとふんでいた。

『やっぱここかァ』

予想通りの場所にあった為、すぐに踵を返して扉の方へ向かおうとしたその時───────

………ガチャン

開けておいたはずの扉が勝手に閉まる音

『ん……風かァ？』

そう言って扉の方へ行こうとした

｢みーっけ♡｣

素早く突きつけられたナイフ

Aの後ろには長身の男が立っていた

『は、強盗!?……金ないし、なんならバイクっっ、あるけど盗まれたらドラケンクンに殺される……』

｢……金もバイクもいらねーから、逃げんの手伝ってほしいんだよなァ｣

『………ぇ』