逃亡記録1 ページ25
オレがSTYX本部から逃亡して数ヶ月後。
拠点としていたのはある大きな島。
そこには昔、雪の女王とその妹が姉妹で治めていた国があったと言われている。
そして、その国の少しだけ離れた場所には未来を予知し、記憶を操作するというトロール達が住んでいた。今も変わらず。
オレはそこのトロール達に世話になっていた。
そこで長年生きているというトロールの長に、オレの身体の状態について説明してもらったんだ。
※※※※※※
トロール ｢この魔力は生まれた時から？｣
『はい。そう記憶しています』
トロールは深刻な顔をして言う。そして、何かを考えるように目を閉じた。
トロール ｢とても深刻な状態だ。長年正常を保っていられたのが嘘のようです｣
『……正常なんでしょうか。オレは前から感情の起伏でブロットが溜まって……吐き気や目眩も』
トロール ｢貴方が"ファントム"に乗っ取られなかったことに驚いているのです。貴方は既に、魔法に身体を蝕まれているのですから｣
彼は説明してくれた。
元々オレの身体は魔法と共に生きていく力が備わっていなくて、他人が無理やり【魔力を詰め込んだ】のだと。
普通ならば、詰め込んだ瞬間に耐えられず身体は壊れるか……ファントム(ブロットの化身)になる場合がほとんどなところを、オレは身体を保っている。
トロール ｢これは予想ですが……貴方は大きな"愛の力"によって"守りの呪文"を施されています。そのため、まだ身体が壊れていないのでしょう｣
『守りの呪文……オレの父が施したんですか?』
トロール ｢………いいえ。この魔力は……知っています。前に1度感じたことがある。確か……妖精の……｣
記憶を遡っているようだけれど、彼はどうしても思い出せないようだ。
トロール ｢………一つだけ話しておきたい｣
『なんでしょうか……』
トロール ｢貴方は数ヵ月後に死んでしまう可能性が高いのです………。
死の間際になれば、心臓が極端に収縮し、血の巡りが速くなって、魔力が溢れ出す。
もしその症状を体験したのなら、風乗せて我らに祈りを届けなさい。
そうすれば──────｣
そこで言葉を濁されてしまった。
でも彼の表情で、今までの話から、オレはほとんどの事を察したんだ。
『身体が壊れたら、オレはきっとファントムになってしまいます。きっと大切な人を傷つけてしまう。だからその時は、、殺して───』
─────── 葬ってください。頼みます。
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小鉄 - 私昨日から小説書かせていただいてるんですがきっかけが主さんなんです！ずっと憧れでしたまだまだ上手に書けていませんが主さんを励みに頑張ります！ (2022年12月10日 15時) (
レス) id: 15ea1c6ed3 (このIDを非表示/違反報告)
めろ(プロフ) - 暇人さん» ありがとうございます😭 (2022年2月17日 23時) (レス) id: 75feb1bede (このIDを非表示/違反報告)
暇人(プロフ) - やばい好きすぎる (2022年2月16日 16時) (レス) @page32 id: 56c105e887 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金木犀 | 作成日時：2021年11月6日 16時
