[HQ] 硝子を傷つけないため [短編集]

俺を惑わす為 [二口堅治] ページ16

[二口目線]
注::ちょっとセクシーな表現ありです





「堅治、だっこ」

「…は？」








こいついきなりどうした……？

いつもは俺に自分からベタベタすることなんてしないやつだ
しかも今日はなんだかのんびりした顔をしている


美しい顔立ち、綺麗なシャープさを感じるAの

こんな柔らかい表情初めて見たかもしれねえ









「堅治、なんでそんなニヤついてんのさ」

「…ニヤついてねーよ目腐ってんのか」

「んー、とりあえず早くぎゅーして」

「しゃーねーな…」





「今日お前、やけに甘えたじゃん」

「うん」

「‥酒でも飲んだか？」

「うん」

「あー……」








抱きしめた彼女から
ほんのりアルコールの匂いがする

火照って暑くなったのかシャツは胸元が見えそう

どこで飲んできたんだこいつ

とりあえず、ベットに寝かそう









「おい、ちょっとベット行くぞ」

「……んえ？……堅治のえっちー」

「ちげーわお前を襲う為じゃねー」

「じゃーなに？」

「ここに酔っ払いがいるからそいつを寝かしてやろうっつってんの」








「ほら、ちゃんと布団かけろ」

「やだ、堅治と一緒にいる」

「……早く酔い覚ませアホ」

「酔っ払いはダメなんですか〜」

「お前これ以上煽ったらどうにかするぞバカ」








彼女は少し額に汗をかいているようだった
熱を含んでいて
それでもって色気があった








「正直…超そそるんだよ」

「ん？なんていった？」

「うるせえ早く寝ろ」








「堅治、ちゅーして」









これでもかと言う程今にも溶けそうな顔で
俺を誘惑してくる

俺を惑わす為に生きているのかこいつ


早く早く、と言いたげな潤んだ瞳が俺を捕まえた


そして俺の頬に

手を伸ばしてきた




限界だ









「堅治」

「あ？」

「すきだよ」

「……A」

「うん？」

「俺も好きすぎてどうにかなりそう」







「ふふ…堅治今日えっちいね」

「もうお前襲うぞ…」

「…いーよ？」





「痛かったら俺のこと叩けよ」

「堅治にならなにされてもだいじょーぶ」









愛おしい彼女に

キスをしていく

長い長いキスにも、嫌がることなく答えてくれた



彼女と俺の唾液が混ざりあって
彼女の頬に




つーっと一滴伝っていくのが見えた









「けんじのキス、きもちいい」

「俺も気持ち良い…」









「早くもっと頂戴」





…

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