一話 ページ3
(唐突な過去編)
｢こんにちは、崔尭爾のお嬢様とお見合いできるなんて…
夢の様だ、とても麗しいお嬢様ですね
○○に相応しいお嬢様だ｣
たらたらと胡麻擂りも忘れず自分の息子の自慢を語る
人生で此所まで最悪な親子は居ないだろう
親がアレでは息子も息子、体臭も酷く甘やかされました
と言っている様な肉付きに容姿
私の体を、舐め回す様に鑑賞し息を荒くする
初見合いは顔が整っている殿方がよかったのだが。
｢お父さんっ、僕この子欲しい…！！｣
｢父さん頑張るよ…！｣
…あぁ、本当に不愉快だ
いくら小声で話していても私達には筒抜けだ何故なら
豚親父の後ろに立つ部下はこちらの者
所謂スパイである
親父の顔を見てないのだろうか私も
其処まで甘やかされたかったものだ
まぁあんな性格になるのは御免こうむるが
腑抜けた阿呆と婚約何てさらさらする気は無いのに。
『お父様、お花を摘みにいっても良いですか…？』
｢…あぁ、行ってこい、”部下が”居る｣
わざとらしく猫撫で声をこころがけ
椿が描かれた黒色の着物の裾を口元へ当てると
豚親子は意図も簡単に頬を赤く染める、気持ち悪い
何時ものお琴やその他諸々の時にだす脱走する予告をだす
何時もは止める親父も流石にコイツらは受け付けないらしい。
廊下を出て玄関から出ると
見知った何人もの黒いスーツに身を包む部下が待ち受ける___
筈が
『…あの、私の部下を手配した筈ですが何方ですか？』
頭から緑赤紫黄色、と色とりどりの顔の整った四人が
人当たりの良い笑みを此方に向ける
何かを腹に隠している様に見えてしまう
勝手だが気に入らない。
続く
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