なまいき度 15% ページ15
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それから、大倉くん含む5組はどんどん勝ち進みいよいよ決勝戦。
という時に、思わぬハプニング発生。
大『嫌や。いくらAちゃんの言うことでも今日は聞かれへん』
「ダメなもんはダメなの。安静にしてなさい」
大『せっかく決勝まで来たんやで?』
「私だって出させてあげられるもんならそうしたいけど、自分の体の事を考えて。立つのも大変なのに」
大倉くんはいわゆる脱水症。
バタンとグラウンドで倒れてそのまま保健室行き。
あれだけ水分補給は大事って言ったのに。
大『っ...お願い、Aちゃんっ...』
震える声で必死にお願いしてくるけど、こんな体調で試合をやれ!なんて死にいけって言ってるようなもん。
「大倉くん。気持ちは分かるけど、今はしっかり休んで」
大『っ...』
ポタンと一粒大倉くんの目から涙が落ちた。
泣いてる姿を見られたくないのか、腕で目を隠してる。
だけど鼻をすする音であー泣いてるんだなって。
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「私、戻らなきゃ行けないから。大倉くんは安静にベッドで寝てね」
大『...待って』
目を抑えてない方の腕で手首を掴まれる。
大『今だけ、傍にいてくれへんかな』
目を隠していた腕がそっと退いて見えた大倉くんの顔。
やっぱり目は赤くて今もまだウルウルしてる。
「ちょっと、だけだからね」
大『ん。ありがとう』
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作者名:お も ち | 作成日時:2017年3月20日 3時