第五話 女心に鈍感な増田さん�� ページ13
A side
その夜、私は後悔に暮れていた。
あぁ…増田さん相手に怒鳴り散らしてしまった。
積もり積もった劣等感と、無理やり蓋をして閉じ込めていた柄でもない恋心が、ついに爆発してしまったのだ。
全ては自分の自信のなさから来てる負の感情。
いきなり取り乱してビックリさせたよね…
って言うかドン引きされたかも？
冷静になって考えてみれば、増田さんが私に悪意を持ってこのワンピース買わせたとか、自意識過剰ヤバくない？
そもそも増田さんは私なんかにそこまで関心ないっつーの！
恥ずかしい…時間戻したい…
あんな態度であんな勘違いして、バレたかな…私の気持ち。
いや待て死ぬ…私が増田さんのこと好きだなんてバレたら…
ぎゃーーーーー考えただけで恥ずかしすぎて死にたいじゃん！！！
その日は、これからどんな顔して増田さんに会えば良いか考えていて、よく眠れなかった。
結果、翌日も増田さんの目を全く見ることが出来ず、失礼な態度を取りまくってしまった。
我ながら不器用にも程がある。
いい歳した大人なんだし、人間関係上手くやるのだってきっと仕事のうち。
このくらい何でもない風に流さないと…って、思ってるのに。。。
葛藤しながらガムシャラに仕事に打ち込んでいる内あっという間に時間は過ぎ、定時のチャイムが鳴った。
18時も過ぎるとパラパラと皆が帰り始める。
「…A、俺帰るけど大丈夫？まだ帰れないの？」
ほら、今だ、増田さんの目を見て謝れ！！
と思ったのに、
『…だ、大丈夫です。これ終わったら帰るんで、お先にどうぞ。』
PC画面の方を見たまま抑揚のない声でそう返事するのが精一杯だった。
「そ。じゃ、お疲れー。」
あーーー行ってしまった(泣)
本当、自分が嫌になる…
自分でも嫌いな自分、誰かに好きになってもらおうなんて無理に決まってるよね…
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作者名：まこ | 作成日時：2024年2月21日 22時
