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「ね、まっすーのお弁当、どうするの？」
『どうしましょう…？』
「俺、食べても良い？」
『食べて…くれるんですか？』
「もちろん！わーい、やったー♪」
空いてる会議室に行って２人でお弁当を広げる。
小山さんは１つ１つのおかずに全部丁寧に感想を言いながら完食してくれた。
ほんと、優しいなぁ…
良かった、お弁当、無駄にならなくて…
次の日も、また次の日も、２つのお弁当を持ってきては話し掛けられず、結局小山さんに食べてもらう…というパターンが続いた。
小山さんは何度も「俺がまっすーに言ってやる」って言ってくれたけど、さすがにそこまで甘えられないから断った。
小山さんに言ってもらって食べてもらうんじゃダメなんだ。
自分で言わないと…ダメなのに。
このままだと増田さんに貰ったお米、食べてもらう前に無くなっちゃう…
早くちゃんと増田さんに、お弁当食べて欲しいって言わなきゃ…
お弁当を作り始めて４日目。
その日増田さんは午前中営業で外出していて、昼休みになっても戻ってこなかった。
今日もお弁当渡せなかったな、、
『小山さん…今日も良いですか？』
「もちろん！Aちゃんのお弁当すっかりファンになっちゃった！今日のおかずは何かな〜♪」
こうやって、ダメでも食べてくれる人がいると、安心する。
いつものように小山さんと会議室でお弁当を食べていると、
ガチャ…
不意に会議室のドアが開いて、増田さんが顔を出した。
「…あれ？小山？…と、Aちゃん？何してるの？」
「…まっすーこそ、どしたの？」
「俺はさっき外出先から戻ってちょっと書類を取りに……って、え、２人、弁当のおかず一緒じゃない？」
増田さんがズンズン近付いてきてお弁当の中身を覗き込んだ。
「…一緒じゃない？…じゃねーよ。まっすーがAちゃんに弁当作ってきてって頼んだんでしょ？」
「…え、じゃそれ、俺に作ってきてくれた弁当？」
『…こ、小山さん！やめてください！！』
やだやだ、言わないで！！
増田さんから貰ったお米で作ったお弁当、小山さんに食べてもらってたなんて、増田さんに知られたくないっ…
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作者名：まこ | 作成日時：2022年1月2日 8時
