▽お米5kgのクリスマスプレゼントを貰うお話▽ (ページ1)

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「…えっ、本当ですか？！ありがとうございます！！」

定時間際のオフィス。

増田さんの電話の声は大きくて、多分みんな聞こえてる。

「はっ、明日の朝イチですか？…分かりました、伺います！はい、…はい、…はい、いえいえ、とんでもございません。当社をお選びいただき、本当にありがとうございます！」

以前から増田さんがアテンドしていた案件が内諾されたみたい。

電話の内容からすると、明日の朝イチ契約手続きに行くことになったみたいだ。

「…はい、それでは明日9時に…はい、よろしくお願いいたします。本当にありがとうございます！失礼します…」

ガチャ。

「わーい、やったーーーﾘ｀▽´ﾉﾘ♪」

「増田さん、おめでとうございます！」

「〇〇社の案件、決まったんですね！」

「さすがですね！！」

「やー、やー、皆のお陰だよ、ふっふっふ♪」

…ふふ、すっごい嬉しそう。

ちょっと調子乗っちゃってるとこも、かわいい…♡

増田さんは同じ部署の3つ上の先輩。

明るくて面白くて、誰よりも努力家で…

だから営業成績はいつもトップだけど、妬まれたりすることもなく、みんなの人気者。

「あ、やべー、嬉しいけど、契約書類一式、明日の朝までに準備しないとなんだった！…今日、残れる人いるー？」

「…………………」

事務メンバーは定時退社する人が多くて、みんな大体アフターシックスに色々予定を入れてるから、途端にシーンとなってお互い仕事を押し付け合うように顔を見合わせてる。

『…あの、私で良ければ……』

「おー、Aちゃーん！！神よ～！少し遅くなっちゃうかもだけど大丈夫？」

『全っ然、大丈夫です！』

増田さんのためなら、何だって、いつまでだって！！

むしろラッキー♪

…とは言えない。

社内に増田さんのことを好きな女子はたくさんいて、みんなノリが良くて増田さんと仲良しで…

私はいつも遠くからそんな皆の様子を眺めてるだけだから、まさか増田さんのことが好き…なんて、口が裂けても言えない。