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緋山side
エレベーターのドアが開くと、そこにはすでに名取が乗っていた。
ただ静かに俯いている名取は、私が乗った事に気がついてすらいないようだった。
「あんたのせいじゃない」
そう声をかけると、名取は私の存在に気づき、泣きそうな顔をこっちに向けてきた。
「藍沢は名取を守りたかっただけ。あんたをそんな顔にさせるために庇ったんじゃない…。それくらいわかるでしょ」
名取「緋山先生…」
そう。
私の知っている藍沢なら、自分の選択に後悔なんてしない。
もし、もう一度同じ事があったも、彼はきっと同じことをする。
大切な仲間を、守るために…。
まぁだからって、自分を犠牲にしていいってわけでもないけど。
でも、
アイツはそういう人だから。
昔から変わらない、あの藍沢だから。
「いい？アンタは自分が今するべき事を考えな。ボーッと地面ばっか見てないで少しは手伝いなさいよ！こっちは藍沢がいなくて大変なんだから」
そう言って、ついさっき増えたばかりの患者資料を名取に押し付けると、いつの間にか名取は元の生意気な顔に戻っていて、面倒臭そうに笑って資料を受け取った。
やれやれと思いながらエレベーターを出ると、廊下の真ん中に小さな男の子がぽつんと突っ立っていた。
迷子？
周りに親御さんがいない事を確認してから、男の子の元へ向かおうとしたその時。
私の横をサッと風が通り、気がつくと名取が男の子に駆け寄っていた。
名取はゆっくりとその場にしゃがみ、その子と同じ目線で話しかける。
名取「どうした？」
不器用な性格が全面に見える声ではあったけど、男の子は安心したかのような顔で「パパの病室、わからなくなっちゃった」と言った。
名取「そっか…」
名取は彼の父親の名前を聞き、病室の場所と行き方を教える。
するとその子は満面の笑みで名取にお礼を言い、小走りでその場を去っていった。
「ったく。やれば出来るじゃない…」
子供の成長は早いって言うものね…。
嬉しそうな名取の顔に、私も内心笑っていると胸元のPHSが鳴り手に取った。
「はい、緋山。……え？」
どこかで待ち望んでいた言葉が耳に入り、私は咄嗟に目の前の名取を呼んだ。
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佑妃奈(プロフ) - リクエスト失礼します。藍沢先生が重度の低血糖になってしまう話がみたいです。お願いします。このシリーズ大好きなので更新続けられていて嬉しいです!! (2022年9月23日 16時) (
レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
なのもん(プロフ) - すーさん» こちらこそ、リクエスト有難う御座いました！今後とも宜しくお願いします (2022年9月18日 0時) (レス) id: cf62cfc1e0 (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - この度はリクエストに答えてくださりありがとうございます！とても素敵なお話でした。これからも応援してます！ (2022年9月18日 0時) (レス) @page9 id: 23361e30d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なのもん | 作成日時：2022年9月17日 22時
