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後悔 ページ25







『…どうしたの?』


平静を装うのに必死だったが、果たして本当に平静で居られただろうか。一途に想い続けてきたこの彼は出会った時からぐんと身長も伸び、今では見上げるまでに成長している。もちろん成長したのは身長だけではない。

顔立ちも幼く可愛らしかった印象はつかの間。
切れ長の瞳に綺麗にすうっと通る鼻筋。薄いながらもぷっくりとした乾燥を知らなさそうな唇はあの時の感触を思い出させる。


…この数年で随分と大人びたものだ。


こんなにも間近で彼の姿を見るのは久々過ぎて高鳴る心臓はまるで抑えが効かない。
前言撤回だ。
今私の顔はきっとフルマラソンを終えたばかりのように赤く染まっている。鼓動もそれくらいに早く脈を打つ。

そんな私の熱を溶かしてくれるのは、理性などという大層なものではなく腕から直に伝わる彼の低体温な熱のおかげなのかもしれない。






「…や、久しぶりだなァと思って」




そう言って誰かに見られてしまう前にパッと手を離し、スタジオに散乱した小物を片付けてくれる彼はさすがは長男だ。
ありがたいがこれは私の仕事。あくまでもお客さんである彼にさせるべきことではない。そう伝えてみたものの「話す口実くらい作らせろやァ」と雑に頭を搔く髪の毛の隙間から見えた耳は少し赤く染まっていた。




『随分と大人になったのね』

「まァ7年も経てば少しはそうなるだろ」



口角を少し上げてこちらを見る実弥くんは、私がドキドキする術を知っているらしい。
そんな顔で見つめられては最初から意味を為していないポーカーフェイスがあっという間に崩れ去ってしまう。

いつもならこの片付けは疲れ果てた身体に地味に負担のかかる作業で好きではないのだが、この時ばかりはどうしてもっと小物を使わなかったんだろうと後悔してしまう自分がいた。








切れ端の意味→←数年越し



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設定タグ:鬼滅の刃 , 不死川実弥   
作品ジャンル:恋愛
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ひよ(プロフ) - 完結おめでとうございます!! 番外編での二人の詳しいその後に、改めてきゅんとしたり、ほう、と至福の溜息をつかせて貰いました。実弥くんと10年もかけた純愛が出来て幸せです。二人ともお疲れ様でした!! (2021年12月10日 22時) (レス) @page43 id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)
あさひゆうひ(プロフ) - 完結おめでとう!そして、お疲れさまでした!待ってたよ♡笑 どちらが書いているのか分からない程の完成度の高いリレーでの合作流石でした!ピュアピュアの可愛い実弥さんに。二人の一途さにキュン…久々に純愛読ませて頂きました!素敵なお話をありがとう😊 (2021年12月10日 21時) (レス) id: 9c7376e839 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - ヤヴァイ←素敵すぎて語彙力が無になりました(^-^) (2021年10月7日 23時) (レス) id: f3f7dadf62 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - なります!!なりますとも!!! (2021年10月6日 21時) (レス) @page31 id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - 奏海さん» もう、拭いてもらいました…ムフフ。 (2021年10月3日 23時) (レス) id: 33c3d87eb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:奏海/羽糸 x他1人 | 作成日時:2021年8月7日 21時

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