Second dream chance (ページ21)

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『佐竹のクラスメイトの岸優太って言います。今回はお願いがあって、声をかけました』

父「お願いってなんだね？」

『お願いします！佐竹を青学に行かせてやってください！文学部の進路許してやってほしいんです！将来編集者になる事、許してやってほしいんです！お願いします！』

俺は佐竹のお父さんに向かって、頭を下げた。

佐竹の事、認めてほしい。

父「なんだね君は！！何をお願いしてくると思ったら娘の進路だなんて！勝手に口出しをするな！プライバシーを心掛けなさい！」

『自分でもよく分かってます。よその家の事に口を出す事はよくないって事くらい。無理を承知でお願いしているんです。お父様は彼女が自分の夢について語る姿を見たことがありますか？』

父「夢.....？」

『はい。彼女、自分の夢をいつも嬉しそうに、熱くキラキラして語るんです。その姿を見て、ああ本当になりたいんだなって。本気なんだって。そんな彼女を見て、俺は応援したいって思うようになったんです。』

父「そうか。だけど、俺達に語らないのはそこまで本気じゃないってことだよ。君には心動かされる程語れるけど、親には語れやしない。そういうことじゃないか」

『佐竹は、優しい奴なんです。ずっと、両親の事を気にしてきました。弁護士事務所の娘だから安定した職や、いい大学に行くって。家を傷つけない為に彼女は自分の夢を押し殺そうとしています。そんな彼女、俺は見たくないんです。前にポロッと泣いちゃうって。週4のペースで夢の事考えると家で泣くって。それ位本気で家族思いなんです』

父「娘を県外に出すことはどれだけ勇気がいることか知ってる？例え隣の県であっても。」

『まだ完全には分かりません。だけど、ずっと大事に育ててきた娘さんを離すことは辛いことって事くらい分かります。受けるかは別としてオープンキャンパスだけでも行かせてやってください！お願いします！』

頭を、下げるしかない。

下げないと、許してもらえない。