お迎え ページ9
｢終わった…｣
みんなに話してから3日、過去最高スピードで仕事をした気がする。
キツかったけど、これもみんなが協力してくれたおかげだ。
3人に作業が終わった事を伝えるとみんな口を揃えて｢早く迎えに行け｣というような事を言った。
俺はアオイから預かったリストバンドを忘れずに持ち、早く迎えに行ってやることにした。
｢あ!!お兄さんだ!!!｣
孤児院に着くと、外でボール遊びをしていた子供たちに囲まれた。
｢今日は快晴だな…ちゃんと水を飲んで汗も拭いて、休憩とるんだぞ？｣
俺が言うと、子供たちは元気に｢はーい!｣と返事をしてくれた。
俺が玄関に向かうと、日陰で座っていた1人の女の子が静かに立ちあがり｢こんにちは｣と言って一礼した。
確か最年長の子だ。ミオという名前で14歳くらいだっただろうか。
きっとみんなの安全を見る役目を担っているのだろう。
俺がミオの横を通って玄関に入ろうとすると、背中越しにミオが話した。
｢アオイちゃん、引き取るんですよね。メグさんならいつもの部屋にいると思います。アオイちゃんもいつものようにきっと本を読んでいます。｣
俺が｢分かった、ありがとう。｣と言うと彼女は最後にもう一言だけ言った。
｢どうかアオイちゃんをよろしくお願いします。｣
俺はミオがどんな表情でそう言ったのかは分からなかったが、声はなんだか寂しそうに聞こえた。
｢失礼します。｣
扉をノックし、俺は普段メグさんが1人で作業をする部屋に入る。
メグさんはどうやら、1人で本を読んでいたようだ。
｢あら、Aさん。いらっしゃい。今お茶持ってきますね。｣
メグさんはそう言って本を置き部屋を出る。
俺がみんなと一緒にミサンガを作った時にメグさんも一緒作ったのだが、置かれた本を見ると、どうやらメグさんもアオイと同様に本の栞にしているようだ。
俺はソファに座りメグさんが戻るのを待つ。
なんだか緊張で時間の進みが遅くなったような気になった。
時計の針がカチカチと鳴り、窓の外から子供たちが遊んでいる音と声が聞こえる。
ぼーっと外を眺めているとメグさんが冷たいお茶とクッキーを持って戻ってきた。
｢ごめんなさいね。遅くなったわ。｣
｢いえ全然。いつもすみません。｣
メグさんはいつものように、優しく｢Aさんはいつも美味しそうに食べてくれるからついお菓子もたくさん出しちゃうのよ｣と言って笑った。
俺がお茶を一口飲み、話を切り出そうとメグさんを見ると
初めて見る、怖いくらいに真剣な表情だった。
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白詰草 - コメントありがとうございます!!多忙なもので更新が遅くて申し訳ないです。スキマ時間で書いていきますので気長にお待ちいただければと思います! (2020年11月30日 16時) (
レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
ユメ＠うぇーい教おいしい美茶教(プロフ) - 初めまして…！題名に少しつられてのこのこやってきた者です！オリジナルなので、原作なども読まなくて良いし、どんどん引き込まれます…！ゆっくり更新でも良いので、更新、頑張ってください…！ (2020年11月29日 6時) (レス) id: e02f1d7237 (このIDを非表示/違反報告)
白詰草(プロフ) - コメントありがとうございます!!超スローペースで申し訳ないです。また読みに来て頂けたら嬉しいです! (2019年12月14日 1時) (レス) id: faba208d06 (このIDを非表示/違反報告)
みるくプリン(プロフ) - はじめまして！続きが気になって一気読みしました。これからも頑張って下さいっ(*^^*) (2019年12月10日 2時) (レス) id: 7db76bcf0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白詰草 | 作成日時：2019年4月18日 1時
