【ep.6】弧爪 研磨 ページ7
朝、目を開けると、布団にうずくまったプリン頭が見えた。
新作のゲームが出て、それが思った以上に面白くて止めるタイミングが見つからず、そのままお泊まりしたんだっけ。
時計を見ると朝の5時。
そういや研磨朝練行くとか言ってたっけ。
「けんまー…」
掠れた声で研磨を呼ぶ。
「…」
「起きてー…」
眠い目を擦りながらゆさゆさと揺すっても、研磨は布団にうずくまったまま出てこない。
まあ寝たのが夜中の3時だから、すぐに起きないのも仕方ないか。
揺すった手を引っ込めようとした時、研磨は私の手を掴み抱き寄せた。
抱き枕みたいに抱きついたまま、動かない。
胸あたりに顔を埋めるもんだから、髪が当たって少しくすぐったい。
甘えてくる研磨が可愛く、優しく頭を撫でた。
「朝練…行かないの?」
「…行かない」
掠れた声で研磨が答えた。
「そっか、遅かったから眠いよね」
「そうじゃなくて…」
「…ん?」
研磨はうずめた顔を胸から離し、眠そうな目で私を見た。
「…Aから離れたくないから行かない…」
そう言うと研磨はまた胸に顔埋めぎゅっと抱き着いた。
「ふふ…かわいい研磨」
思わず本音が出てしまった。すると研磨が小さい声で話した。
「…Aもね、かわいいんだよ」
「え?」
すると研磨は体勢を変え、私に顔を近づけた。
「…耳、触るとね、ビクってするし」
研磨が話しながら耳を触る。
「舐めると可愛い声が出る…」
「んっ!」
ほらね、と何でもお見通しのように私の弱い箇所をあえて攻める。
「ちょっと、研磨やめ…」
抵抗する私の手をそっと握り、研磨は呟いた。
「ねえ…もっとAのかわいい所見せて…」
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作者名:かなめ | 作成日時:2017年8月22日 17時