【ep.1】宮 侑 ページ1
「♪」
ポッケに入れたスマホから音が鳴る。
確認すると、宮君からのメッセージだった。
宮 侑視聴覚室
メッセージを見た私は急いで視聴覚室へ向かった。
扉を開けるとまたメッセージが来た。
宮 侑鍵閉めて、奥来て。
言う通りに鍵を閉め、奥に進む。
「お、いつもより早いやん。メッセージ送ってから3分、記録更新おめでと〜」
ニヤリと笑う宮君が、拍手して私を迎えた。
「だって、急がないと怒るじゃん…。」
「そんな事で怒らへんって。まあ…待たせた分だけ、お仕置きの数が増えるだけやけどなぁ。」
その場で固まる私に宮君が優しくキスをした。
「Aちゃん、もっとおりこうさんならなあかんなあ。」
「え？」
そういうと宮君はひょいと私を持ち上げ、椅子に座らせた。
椅子に座る私に目線を合わせるように、宮君は膝をついた。
「ほら、もっとして欲しかったらいつもの言うてみ？」
「や…だ。」
「そういうとこが、おりこうさんじゃないねんなあ。」
恥ずかしくなり、思わず下を向いてしまう。
宮君はそんな私を見て小さく溜息を吐き、更に顔を近づけた。
「おりこうさんになる様にもっと躾やなあかんみたいやなぁ。」
ニヤリと笑う笑顔が少し怖い。
「ほな昨日したことからおさらいや。」
ぐいっと顎を持ち上げて宮君は続けて言う。
「ほら舌だしてみ。」
私は言われるがまま舌を少し出した。
すると宮君も舌を出し、私の舌と絡ませた。
「なんややっぱり、して欲しかったんやん」
キスを続けながら宮君はクスクスと笑った。
「今やったらいつもの言えそう？」
ぴたりとキスを止め、じーっと目を見て問い詰めた。
「もっと、キスしてください。」
恥ずかしながら言う私を宮君は頭を撫でてまたキスを始め、小さく呟いた。
「おりこうさん。」
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作者名：かなめ | 作成日時：2017年8月22日 17時
