【ヒロアカ】轟兄さん３【男主】 (ページ16)

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それは時間を巻き戻すこと３０分前

「全然勉強してねぇー！！」

授業も終わり教室ではテストの話で騒がしくなる

「芦戸さん上鳴君！一緒に頑張ろうよ！」

「俺もクラス委員長として皆の奮起を期待している！」

俺も何か言うべきか…

「普通に授業受けてりゃ赤点は出ねぇだろ」

「言葉には気をつけろ！！

あ、でも轟は密かにA先生からテスト範囲聞けるんじゃ！！」

「そんなことしねぇ」

「でも確かに今回科学は特に難しいよね。」

緑谷の言葉にクラス全員が頷く

「A先生怖ぇし…すぐ補修とか。叱られたくない先生ナンバー１だわ」

「えーでもA先生と科学準備室に２人きりってドキドキするよね。」

「透ちゃん好きね」

「科学室に２人きり…叱られる」

そういえば俺は兄さんに叱られた記憶がない

いつも優しくてかっこいい

でも俺も叱られたい。上鳴みたいに…

「轟くん？」

「悪りぃ緑谷。急用ができた」

「そっかまた明日」

「あぁ」

そのまま俺は教科書を持って科学準備室へ向かう

どうやって怒られよう。

廊下を歩きながら考えたがいい案が思いつかない

このまま行っても意味がない

「何か怒られる方法…そうだ」

今日の授業を聞いてないことにすれば

教室に着きドアを開けるといつものように真っ暗な部屋で

いつものソファーに座りながらパソコンをいじる兄さんの姿

「A先生」

『ん？焦凍どうした』

「わかんねぇとこあって…」

いつもみたいに優しい笑顔

あぁ、好きだな…

俺はきっと嫉妬したんだと思う

そう思ったら急に寂しくなった

俺の兄さんなのに、俺だけの先生じゃない

わかってはいる

『焦凍、そろそろ降りて』

「ヤダ…」

『学校では先生と生徒だろ。そういう約束』

「俺も叱ってほしい…」

抱きしめてもここでは抱きしめ返してくれない。先生だから

わがままだ…きっと兄さんを困らせている

謝って帰ろう。その思ったら急に体が沈んだ

触れられそうなほど近い距離

心拍数が上がるのがわかった

「…あれ？轟君」

「用事は済んだのか！？」

「廊下で固まってどうしたん？」

気がついたら目の前に緑谷、飯田、麗日がいた

「あ、…いや。なんでもねぇ」

額が、熱い