【ヒロアカ】轟兄さん４【男主】

４−１１ ページ14

『焦凍、引越しの準備終わった？』



部屋を覗くと部屋の片隅に段ボール箱が数箱

あとはあまり変わってい無いというか元々あまり物が無い部屋だったから持って行く物もないんだろう



「終わった」


本を読んでた焦凍が本を閉じ俺の方を向く

いよいよ明日から寮生活

ほとんどの先生方も寮の方に住むが俺はヒーローとしての依頼も多いので夜遅くの出入りはあまり好ましくないということになり俺は寮の方に泊まりに行っても住むことはしない



寂しくなるな



俺は今まで家を出ることはなかった

その理由は焦凍がいたからだ

焦凍が独り立ちするまでは隣にいようと俺が勝手に決めて今までずっとこの家にいたけれど焦凍と一緒に暮らすのも今日で最後


俺の予想よりも数年早い別れ




『焦凍は、この家があまり好きじゃないかもしれ無いけれど

この家は焦凍の家だからね。何かあったらすぐに帰っておいで

俺は、…すごい寂しいよ。』



もうこうやって抱きしめたり

頭を撫でてやったりすることはないんだろうな


弟離れをしなきゃいけ無いことはわかってるけれど

それにはもう少し時間がかかりそうだ




「兄さんは、寂しくないのかと思った」

『え、なんで？』

「俺は何度も今まで兄さんの部屋に行ったり布団にもぐりこんだりしたけど

兄さんは俺の部屋になかなか来ない

それに、…」



ちょっと頭を下げ気味の焦凍の横顔を見る

『それに？』

「…」

『どうし、っ』




焦凍を覗き込むと唇の端に柔らかい感触があたった


それはすぐに離れると焦凍は真っ赤な顔をしてそれを隠すように俺に抱きついてくる

やっぱり焦凍もさみしいのか、こんなに甘えてくるのは久しぶりだ

優しく頭を撫でるとなぜか今度は頰を膨らまして俺を見る

「…」

『どうした？今日は百面相だね』

「やっぱ、わかってねぇ」

『ん？』



なにがわかってないんだ？

俺は聞いたけどそっぽを向いた焦凍はなにも答えない

なんですねてんの？



思春期の子は難しいな


もしかしたら焦凍と同じことをすれば何かわかるかもしれないと思い

俺も焦凍の口の端に唇を落としてみる



『ん…』

「っ！」



やってみたけど拗ねる理由がわからなかったのであと何回かやってみた

焦凍はゆでだこのようになりながら俺の服を握ってる




どうやら拗ねはなくなったらしい



うーん、やっぱわからなかったのでまた今度やってみよう






ちなみにその晩は久しぶりに一緒にねた

焦凍とお兄ちゃんの旅（大分）→←４−１０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す