そのウサギ、黒 ページ49
『っ、はっ…はっ』
カチカチと掛け時計と置き時計の秒針の音が響き渡る暗い部屋
目がさめると青年は上半身をあげ呼吸を整える
『大丈夫、まだ生きてる…』
大丈夫、大丈夫…
自分に言い聞かせる声は自分の耳には届かない
胸元の懐中時計を見るとまだ起きるには随分早い時間を指していた
『俺はオーバーブロットはしない…大丈夫、大丈夫』
_大変だ!時間がない!時間がない_
『…うるさい』
_急がないと!時間がない_
『うるさい、うるさい』
_もう一度、時間を戻さなきゃ。もう一度もう一度_
『もう、何度もやってる!!!』
ベット横の時計をはらうと一緒にマジカルペンも落ち少年はハッとする
頭の中にながれる声はいつの間にか消え、そっとペンを拾い上げ宝石を見つめた
『もう、時間がない。俺には…』
___
『リドル、今日は強い風が吹くからあまり上昇しないほうがいい』
「風かい?」
飛行術の授業、Aがボクにこんなことを言ったけれど強風警報は出ていない。それどころか風なんて一切吹いていない
そして多少の風で危険を被るようなことはあまりない。
「気をつけるよ」
『うん』
たまにAは突拍子もないことを言う
そしてそれは…
「リドル!飛行術教えてくれよ」
「またかい、カリム…まぁいいよ。そこで見ているといい」
合同授業の飛行術でカリムに飛行術を教えてくれと頼まれる
こうして頼まれることはたまにあって、教えることはできないけれどボクの飛行を見せている
普段通りに上昇すると、いつもよりも静かな空にもう少し上昇しようかと試す
「うわぁ!もうあんなところまで。リドルはやっぱりすごいな」
『…っ、リドル!!』
頭の中にはもうAの忠告何て忘れていて、いつもより心地いい空気を味わうが一瞬にしてフワッと感じたことのない感覚に陥り空が僕の真正面に遠のく
あれ、…箒はどこ?
『リドルっ!』
ぎゅっと目を閉じると痛みはなく重力も感じなくなる
目を開けるとボクはAの腕の中にいて、そこで初めて箒から落ちた頃に気づく
『はっ、良かった…間に合って』
「ボクは、…A?」
『慣れないよ、…お前が落ちるってわかってても』
「A、泣かないで。ごめん…」
たまにAは突拍子もないことを言う
そしてそれは…必ず現実に起こるんだ
まるで未来を知っているかのように
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ちづっきー(プロフ) - ええええすごいところで終わった…この作品めっちゃ好きです。自分の考えてたオリキャラが時計を持った兎っていう共通てんに惹かれて見させていただきました。いつまでも更新待ってます(愛が重い)。 (2023年2月23日 19時) (レス) @page50 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのRさん - ハートの女王の法律の懐中時計とか遅刻必須とかの法律で天才的なセンスを感じました…(( (2021年11月8日 18時) (レス) id: 2aa5b9ffed (このIDを非表示/違反報告)
犖漓 - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2021年7月12日 17時) (レス) id: 411315a80c (このIDを非表示/違反報告)
なの - 低評価でも星を押してくれるというのなら大歓迎系の人は大体凄い人。作品も人(作者さん)もとてもいい。評価を見て悪いところは改善していこうとする姿勢は素晴らしい(そのつもりがなくても)。作品楽しませてもらいました。ボーテ100…いや、1000点。 (2021年2月6日 23時) (レス) id: 83cca202c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽紫音(プロフ) - 好きです!面白かったです(*´∇`*)更新頑張ってください!お気に入り(*^-^)ф (2020年11月3日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:要 | 作成日時:2020年7月18日 13時