そのウサギ、土下座 ページ48
『すみませんでした』
「酷いです…僕の心を弄んで。シクシク」
「あぁ、なんてかわいそうなジェイド。」
『アズール…お前。今回のことは知らないって』
部活終わり早急にオクタヴィネル寮へ足を運び土下座をしてお詫び
そんな姿を見たアズールはこれを見逃さずジェイドに加担
ジェイド自身も口ではこう言っているが、この時を待っていたとでもいいたそうな隠しきれていない口元
「失恋してしまいました。今にでも泡になって消えてしまいそうです」
『消えてしまえ』
「何てひどい!これではモストロラウンジもしばらく休業しなくては…」
「Aさんは悪くありません。僕が悪いんです…」
『…クソっ』
一瞬でも、ジェイドが本気にしてたらどうしよう。と思った俺がバカだった
まんまとこいつらの罠にはまったウサギということか
『今回は俺が悪かった。謝るよ…巻き込んだことも全部。お前の言うお願い聞いてやる』
「本当ですか?」
『あぁ…』
「では、フィップス家の所有する山に」
『おい、なんでそれ知ってんの』
「キノコ栽培の原木を少々置かせていただけませんか?」
あっけらかんとしているのは俺だけではなくアズールやフロイドも呆れかえっていた
もっと違うことをお願いすればいいのに…とその場から立ち去ったアズールと「キノコの料理続くの嫌だよ」と自室のベットに潜るフロイド
「それと立ち入り許可も頂けると嬉しいのですが」
『まぁ、山くらいなら貸せるけど。それでいいんだな』
「山でのキノコ栽培はしたことがなくて」
『それでいいならいいよ…』
「ありがとうございます」と素直に嬉しそうにするこいつの笑顔を見て、そんな顔もできるんだなと感心した
話が済んだし帰ろうとすると玄関まで送るとジェイドに見送られる
「あなたはいつもリドルさんを見ているから」
『は?』
「その場しのぎであったのはわかっていましたけど。嬉しかったんです」
『まだ何かお願い事でも?』
寮を出ると海風が冷たく、身が凍りそう
日も落ちて海底のようなここはとても暗い
「貴方に頼られて嫌な人などいないでしょ」
『買いかぶりすぎだね』
鏡舎へつながる鏡の前に立つと俺を呼ぶジェイドに振り向く
『…っ』
直ぐそこに大きく口を開けたこいつが、今にも俺を食べそうな勢いで居て、生き物としての本能で体が固まった
「ふふふっ、お気をつけてお帰りください」
『趣味悪っ』
「また明日」
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ちづっきー(プロフ) - ええええすごいところで終わった…この作品めっちゃ好きです。自分の考えてたオリキャラが時計を持った兎っていう共通てんに惹かれて見させていただきました。いつまでも更新待ってます(愛が重い)。 (2023年2月23日 19時) (レス) @page50 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのRさん - ハートの女王の法律の懐中時計とか遅刻必須とかの法律で天才的なセンスを感じました…(( (2021年11月8日 18時) (レス) id: 2aa5b9ffed (このIDを非表示/違反報告)
犖漓 - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2021年7月12日 17時) (レス) id: 411315a80c (このIDを非表示/違反報告)
なの - 低評価でも星を押してくれるというのなら大歓迎系の人は大体凄い人。作品も人(作者さん)もとてもいい。評価を見て悪いところは改善していこうとする姿勢は素晴らしい(そのつもりがなくても)。作品楽しませてもらいました。ボーテ100…いや、1000点。 (2021年2月6日 23時) (レス) id: 83cca202c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽紫音(プロフ) - 好きです!面白かったです(*´∇`*)更新頑張ってください!お気に入り(*^-^)ф (2020年11月3日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:要 | 作成日時:2020年7月18日 13時