そのウサギ、フェアリーガラV ページ39
『…』
フェアリーガラへ向け特訓が始まって3日目が終わった
自室のベットへダイブすると俺は大きくため息をつく
今日ヴィル先輩にダンスパフォーマンスはしなくていいから表情をどうにかしろと喝を入れられた
クルーウェル先生にワンツーマンで指導を受けるものの意識して歩くとどうにも表情が消えてしまうらしい
凛々しく
高貴に
誰も近寄らせないような
立ち居振る舞いをしてこそ
代々伝わる名家へ生まれた宿命
幼い頃からそう教え込まれたのだから仕方がない
家を出て2年目でそんな癖が治ってしまったら俺は出来損ないだ
『そんな数日で直せなんて、無理に決まってるのに…』
「Aすこしいいか?」
ノック音とともに聞こえた声に体をあげる
甘い匂いとともに入ってきたのはトレイで「お疲れ様」と頭を撫でられる
「おやつのケーキ、お前の分持ってきた。今食べるか?」
『ありがとうトレイ』
フルーツタルトのワンピース
一口、くちに入れるとサックっとしたタルト生地に生クリームの甘さとフルーツの酸味
無意識に口角が上がる
「最近元気がなかっただろ。お前も大変だろうけれど話くらいならきけるから」
『俺元気なかった?』
「あぁ、とても」
膝に皿を置いて一口分しか減っていないタルトを見つめる
『俺の第一印象ってどうだった?』
「藪から棒だな…そうだなお前の家は名前がしれてるからな。フィップス家の御曹司が入学してきたって噂になってお前のクラスまで見に行ったっけ」
『そうだった、の?』
それはエレメンタリースクールの話
確かに俺は行くところ行くところ視線を感じながら生きてきた
それが一般人の集うところだろうが、名の知れた金持ちが集まるところだろうが関係なく
「一人本を読んでいたな」
『今みたく社交的じゃなかったからね。ませてたんだよ。』
「全くの別者だな」
『トレイたちのおかげだよ』
「それは違う」
そっと頬を撫でられてトレイに顔を向ける
「お前が変わろうと思って変わったんだ」
ワシャワシャと頭を撫でられ「歯磨きちゃんとしろよ」と彼は部屋から出て行った
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ちづっきー(プロフ) - ええええすごいところで終わった…この作品めっちゃ好きです。自分の考えてたオリキャラが時計を持った兎っていう共通てんに惹かれて見させていただきました。いつまでも更新待ってます(愛が重い)。 (2023年2月23日 19時) (レス) @page50 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのRさん - ハートの女王の法律の懐中時計とか遅刻必須とかの法律で天才的なセンスを感じました…(( (2021年11月8日 18時) (レス) id: 2aa5b9ffed (このIDを非表示/違反報告)
犖漓 - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2021年7月12日 17時) (レス) id: 411315a80c (このIDを非表示/違反報告)
なの - 低評価でも星を押してくれるというのなら大歓迎系の人は大体凄い人。作品も人(作者さん)もとてもいい。評価を見て悪いところは改善していこうとする姿勢は素晴らしい(そのつもりがなくても)。作品楽しませてもらいました。ボーテ100…いや、1000点。 (2021年2月6日 23時) (レス) id: 83cca202c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽紫音(プロフ) - 好きです!面白かったです(*´∇`*)更新頑張ってください!お気に入り(*^-^)ф (2020年11月3日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:要 | 作成日時:2020年7月18日 13時