そのウサギ、拒否 ページ15
『しつれーしまーす。常温のお水買ってきましたよ』
「お疲れ様、ここへ置いてちょうだい」
控え室へ入るとヴィル先輩が鏡に向かい化粧をしていた。
プロのモデルならヘアメイクをしてもらったり、服も用意してもらえるだろうに。
それにもかかわらず彼は一から十まで全て自分で行っている。
「やってもらうときもあるけれど、自分の魅力は一番自分がよくわかっているわ」とのこと。
もちろん俺だってお年頃であるから、いくら男子校だと言っても身嗜みくらいは整えているつもりだけど、レベルが違う
「うん。完璧ね」
『わぁ、きっれー。目も口もきらきらしてる』
「幼稚な語彙にもほどがあるわね」
「仕方ないから特別にプロのモデルの撮影を見学させてあげるわ」と言われミドルスクール以来のお仕事見学
いつもだらしない父親の仕事をしている姿はカッコいいと思うような感動を味わう仕事見学とはわけが違い、プロのそれを見て心奪われる。
彼が評価される意味がわかってきて、そんな人と同じ学校でこうして話ができている優越感に浸っているとヴィル先輩がカメラマンと話をしだし、俺の方に目線をやる。
「A、こちらへ来なさい」
腕を掴まれ撮影スタジオを出て控え室へ戻る。仕事はもう終わったのかと聞こうとすると鏡の前へ座らされ前髪を徐に留められると水ではない何かを顔にブチまけられる
『ブエッ!ちょ、なんすか!』
「汚ったないわね」
さっきまでの感動を返せこのゴリラ!!と思うほど乱暴に顔をいじられている
何か喋ろうとすると「お黙り!」とストリクト…
「さっきのカメラマンがアンタも撮りたいって」
『えぇ!?いやむりむりむり!』
「なに贅沢言ってるのよ。彼、この業界では名の知れてるフォトグラファーなのよ」
『俺この業界の人じゃねーし!』
顔に塗り塗りとされ、パタパタとされ、トントンとされる
そのあとに、顔が終わると髪をギュイーンとされて、アチアチにサンドされて、シューーーとされた
「まぁまぁね。悪くはないわ」
『は、はぁ…』
鏡に映る俺の顔を見る。特段ものすごく変わったわけではないけれどきらきらしてる。
ヴィルさんは自分の持って来たカバン(俺が運んだ)から服を取り出し俺に当てる
「これ着なさい」
『拒否します!』
「早く!」
『ひぃえっ』
1610人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちづっきー(プロフ) - ええええすごいところで終わった…この作品めっちゃ好きです。自分の考えてたオリキャラが時計を持った兎っていう共通てんに惹かれて見させていただきました。いつまでも更新待ってます(愛が重い)。 (2023年2月23日 19時) (レス) @page50 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのRさん - ハートの女王の法律の懐中時計とか遅刻必須とかの法律で天才的なセンスを感じました…(( (2021年11月8日 18時) (レス) id: 2aa5b9ffed (このIDを非表示/違反報告)
犖漓 - 続きがとても気になります!更新待ってます! (2021年7月12日 17時) (レス) id: 411315a80c (このIDを非表示/違反報告)
なの - 低評価でも星を押してくれるというのなら大歓迎系の人は大体凄い人。作品も人(作者さん)もとてもいい。評価を見て悪いところは改善していこうとする姿勢は素晴らしい(そのつもりがなくても)。作品楽しませてもらいました。ボーテ100…いや、1000点。 (2021年2月6日 23時) (レス) id: 83cca202c9 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽紫音(プロフ) - 好きです!面白かったです(*´∇`*)更新頑張ってください!お気に入り(*^-^)ф (2020年11月3日 0時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:要 | 作成日時:2020年7月18日 13時