離れないよ、蛸だから【吉田ヒロフミ】 (ページ10)

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「死ぬわけないじゃん」

また一層強く抱きしめられる

「だって俺、Aさんとしないといけないことたくさんあるし」

『しないといけない事…？』

「うん、まず手繋いでデートして告白して付き合って色んなことして結婚して」

『ぇ…ちょっと待って』

「何？」

『何って、』

少し離れた距離、私を揶揄うように笑うヒロ君に顔を逸らす

なんで決定型なのよｯ

今までは上手く流せていたのにどうしてか今日はそれができない

「だから待ってて。俺が帰ってくるの」

優しく頬を撫でながら目を合わせるように私の逸らした顔を自分に向けさせる

いつどこで覚えたんだろうこんなこと

『うん、待ってる』

「約束。飲みにもいっちゃだめだから」

『…ん』

ヒロ君との約束をすると向き合った顔が徐々に近づく

『ｯ、！』

縮まる距離、目を強く瞑ると鼻先に柔らかい感触が当たった

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