【呪術廻戦】黙ってろモブ４-青天霹靂-【男主】

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僕は何も持っていない。

そう思っていたし、確かにそうだったんだろう

数ヶ月前の僕は何も書かれていない白紙同然で、同じ毎日を過ごしてた




だけど、あの家から出ていって

新しい生活、新しい事、自分の力

いろんなことを知った。呪術のことも呪いのことも





幸せになりたいと思う人間は、幸せの味を知っているからだ

逃げたいと思う人間は、逃げた先の未来を思い描くことができるからだ

辛いと思うことができる人間は、辛くない時の感情を知っているからだ








「みなさん今日から新しい＿＿＿」








担任の隣に立つ。

いくつもの目がこちらに向けられてドクンと心臓がなった

そうだ、僕はずっとずっと多くの目に曝け出されていたのだった






たった何ヶ月か、それでも一人の少年にとっては長い時間だった

この月日、高専で守られて自分のことが段々にわかってきて忘れるところだった






「Aくん、みんなにあいさつできますか？」

『…桜庭A。』






小さくつぶやいた言葉は生徒たちの耳に届く前に消えていってしまった



悟なら、大袈裟に褒めてくれたんだろう

偉いって、褒めてくれたんだろう








あぁ、そっかこれが

これが




寂しいって感情か

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