【呪術廻戦】黙ってろモブ３【男主】

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真っ暗闇に雅楽、越天楽が響く

１本の大きな桜の樹の下

紅色の柱と長く広がった屋敷

俺の見る夢はいつもこれ






ただ一人ポツンと俺はその桜の下で散ることのない桜を見上げた

桜の木の下には死体が埋まってるなんて言うけれど、俺の墓場はここかなと苦笑した

何百年の空白を背負って生まれたそれが嫌だと思った時期もあった

呪術師が嫌なのではなく、この力が嫌だった






だけど今は、その力が死ぬほど欲しくてたまらない









高い鳥の鳴き声が大きく響き俺はそちらに目を向ける



桜の舞う夜の空に熱いほどの火を纏った大きな大きな翼を広げ俺を見つめる鳥の姿


そうだ、前もこの光景を見た








『迦楼羅』








それは俺の前に飛んでくると羽を収めた

赤い目は鋭く、赤い中にも橙色の混ざった炎が全身を包むが柔らかい温かさ

手を伸ばすと擦り寄ってくる

ひよこなんて嘘だろ。なんて笑ってしまうような凛とした美しい迦楼羅は俺が何人と背中に乗れるほどたくましく、大きい








『初めまして、でもないね。俺のこと守ってくれてありがとう』






首を伸ばして俺の体に摺り寄せてくる頭部を撫でる






『倶利伽羅が消えちゃったんだ。なんでだと思う？』







迦楼羅は顔を上げると真っ直ぐに俺を見つめるだけ

俺の力だと思っていたそれは俺が持つだろう力の３つのうちの１つに過ぎなかった

だけど一番そばにいたから。









『今更迦楼羅に頼るなんて虫が良過ぎない？知らなかったなんて言い訳になる？』

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