【呪術廻戦】花占いで嫌いが出た【五条悟】

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そんな私も20を超えた。その頃から私は多分30には死ぬんだろうと思い始めていた

高専を卒業して、呪術師としてなんとか生きながらえて、いろんな人を助けて、いろんな人を見送った








「Aさん！今夜空いてる？ご飯食べに行こう」

『五条くん、これから任務でしょ。私知ってるよ』

「あんなのすぐ終わらせてくるから、ね？」









卒業しても、彼は忙しいはずなのによく私の前に現れてはこうして食事だったり、映画だったりに誘って「好き」とまた囁いた


それを今まで通りなんとなく回避して、また出会う。その繰り返し


それから数年して高専に常駐することになった。何かと都合がいいから私もそれを了解して医務室に至いる









「Aさーん！これから毎日会えるねっ！！！」







と、また五条くんがいた。

どうやら高専で教鞭をとっているらしい。

知らなかった。









『そうだね』

「幸せ…」









それからほぼ毎日彼は、晴れの日も、雨の日も、滅多にない雪の日も医務室にきては甘ったるい声で「好き」を囁く


正反対に、花占いなんて言って、最後に落ちる花びらはいつも「嫌い」


それでも彼は運命を信じると言って何度も何度も花を持っては落ち込んで、また花を持ってくる









私ももう少しで30になる

今年死ぬか、死ななければ多分40前で死ぬだろう







だけど、例えばの話で。50,60,…70まで運良く生きられると仮定して生きていったのなら

今、泥酔して私のベットで寝ている彼はいつまで私に「好き」と囁き続けるんだろう






「ん…Aしゃん」

『何？五条くん』







寝言に返事をしてしまった。

夢から覚めなくなってしまうかもしれない









「好き…好き、いつ僕と…」








そこで切れてしまった言葉

いつ僕と＿＿＿

なんだろう。

いつ僕と付き合ってくれるの？

かな…








『多分私はね、五条くん。幸せに生きる覚悟ができていないの』







だからあなたと幸せになる未来が見えない

私が幸せに生きる夢をみれない

私が先に死んだら

あなたが万が一死んでしまったら








そういう未来しか見えないから。私は幸せになる覚悟ができない

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