２８ ページ30
「家に戻る？あんな場所に戻ったらぐるぐる巻きにされて一歩も動けずチヤホヤもいいところ、人形みたいにされちゃうよ」
『…倶利伽羅についての資料は多分そこらへんにあるだろうけど、それを取り出せる術師がお前の周りに今までいたか？』
「いないね」
倶利伽、正式にいえば倶利伽羅剣が出ないことを悟に相談すると「ウケんね〜反抗期かなご主人様に似て」とかましてきたので腹に一発入れる
桜庭家に代々受け継がれてきた呪術と剣は数百年前にぱたりと途切れ、それ以来桜庭家は廃れていった
年々呪術師となる者はいるが御三家のように強者ばかりを排出する奴らにはとうてい敵わず、良くて２級術師を排出するのがやっと
そんな中、パッと俺が生まれた
自分でも理解しきれていないこの状況を打破できる倶利伽羅についての書物があの家にあるかもしれない…
「もう少し様子をみたら。それでもダメだったら僕も一緒に行くよ」
『…お前を初めてまともな人間だと思った』
「ひどくなーい！」
ポンと頭の上に手を置かれ払うと「そこは今払うとこじゃないでしょ！！」ともう一度頭に手を乗せられる
「大丈夫、何かあったら僕が守ってあげるからさ」
『お前に守られるほど落ちぶれてねぇよ』
「素直に甘えろって」
＿＿＿＿
「ふふっ、ふふふ」
南国を思わせる白い砂浜と青い海、太陽が照り絶好の海日和
大っきなパラソルの下でずっとニヤニヤしている男に痺れを切らし先ほどまでサッカーボール扱いされていた火山頭と呼ばれている異形が口を挟む
「貴様さっきからニヤニヤニヤニヤ、気持ち悪いにもほどがあるのだ！」
「…話しかけんな出来損ない。今いいところなんだよ。クソ」
いいところも何も彼は先刻からずっと膝を抱え微笑んでいるだけで特に何かをしているわけではない
「何がいいところだ」
「うっせぇな、今Aが僕の名前を、僕のことを呼びまくってんの！！あぁ、今すぐ行きたい…その手に包まれたい…Aすきぃぃぃぃ。無理、くらくらしてきた。尊死」
砂浜に寝転びジタバタと赤子のように騒ぎ立てる彼に異形たちは冷めた目で見る
「あぁ、花御。今度奇襲する時間違ってもAに一切手を出すなよ、代わりにあの呪術をお前には無効化してやっから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
leon(プロフ) - 初コメ失礼致します。連載されている頃からずっとこの作品が好きです！また読めて嬉しいです！ (2022年2月1日 23時) (
レス) id: adc2534afa (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - アロンさん» お待たせしました、待っていただけていたなんてうれしいです。楽しんでいただけたら幸いです。 (2022年1月4日 22時) (レス) id: dc654e081f (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - のれちさん» こちらこそ、また読んでいただけるなんて嬉しいです。ありがとうございます (2022年1月4日 21時) (レス) id: dc654e081f (このIDを非表示/違反報告)
アロン(プロフ) - 公開待ってましたー！！作者さんにも色々あったでしょうに、公開してくれてありがとうございます！！これからも応援し続けます！ (2022年1月4日 18時) (レス) id: 39d8d24e35 (このIDを非表示/違反報告)
のれち - 1年前(？)ぐらいからずっとこの作品を読んでいて、非公開になった時は「ﾌｧ?」ってなっていたけどもう一度読めるなんて、、、嬉しすぎて語彙力がもうなんか泣きそう😢 (2022年1月4日 15時) (レス) id: 1af6bcdd02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：要
| 作成日時：2020年11月17日 22時
