【呪術廻戦】黙ってろモブ【男主】

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『帰ろう、恵』





虎杖が地面に倒れてから１０分程雨の強くなる中彼奴らをひたすら眺めた

恵の気持ちが雨に溶けて少しでも落ち着けばいいと思って

虎杖の血が雨に流れそれを踏む





『恵』




そっと後頭部を支え胸に引きよせる。

冷たくなってしまった体温に俺の体温を分けるように

服をぎゅっと握りながら静かに「悪い」と呟くこいつに俺はかける言葉が見つからなかった

心底俺は心がないなと、こういうとき思う






「Aが来てくれて…助かった」

『釘崎は』

「病院に運ばれたが、心配ない…」

『そう』





俺は恵が無事でよかったと安堵した

全身で彼を抱きしめ震える体を無理やり止める。強く、堅く





「もう大丈夫だ。わるい」

『恵』

「帰ろう。離してくれ」

『ねぇ、恵』








濡れた雨で髪も服も肌に張り付いて気持ちが悪い

恵の冷たい頰を包み上へ持ち上げて互いの息が唇に当たるところまで距離を縮める








『抱いてやろうか？』

「…っ‼︎」








俺は心底、心底心ないと思うのは…こいつの心を、

こいつが弱っていることをいいことに、こいつの好意を弄ぶからだ

これを慰めだと俺は勘違いして、寂しさを、悔しさを

痛みで、快楽で埋めてやろう…と

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