そのウサギ、忘れ事 ページ15
『リドルっ！』
「A…」
『あの、えっと…』
「…」
『あの。ご、ごめん』
「何が」
『僕のために勉強を教えてくれていたのに』
「…」
『怒ってる？』
「怒ってる！」
謝ればいつも許してくれるリドルがいつにもなく不機嫌で僕は疑問符を頭の上に掲げる
そんなに怒る事？そんなに引きずること？
『なんでそんなに怒って』
「キミ、今回順位を上げられなかったらどうなるか覚えてる？」
『順位を上げられなかったら…？』
順位を上げられなかったら…どこかで聞いたフレーズ
記憶をめぐらせると、ふとある事を思い出す
『なんかお父様に言われたような…』
「今回のテストで順位が上げられなかった場合、キミが欠席した分の授業時間の２倍の学習時間を課せられるって自分で言っていただろ」
『２倍の…学習、じかん…あ、あぁあああ！！！』
すっかりさっぱり忘れていた
フィップス家長男として生まれた僕に父は社会見学だといろいろなところへ連れていく
最近はそれが増え学校を早退、欠席することも自然に増えた
授業に出てないから勉強はできない。それは許されることではないと父は言い
今回のテストでもしも順位が今までより下がった場合勉強じかんの確保としてそういう決まりを提示されたのだ…
自分の父ながらにとても理不尽だと思うがそれは仕方ないということになってしまうのだろう
『…終わりだ』
「終わるわけにはいかないだろ！」
『だ、だって』
「ん！！！」
『な…なにこれ』
「テストの対策ノート。ボクだってキミと遊ぶじかんが限られているのにキミの時間が減ったらもっともっと遊べなくなるんだよ！それで良いのかい！」
『いや、です』
「よろしい、テストまで遊ぶ暇はないよ。1分1秒無駄にしない。ボクが教えるんだから」
絶望的な現実と、それを回避しなければいけない未来とがごちゃごちゃになって涙が目に溜まる
『う、…嫌だ嫌だ。。。』
「ほらやるよA」
『はい、先生…」
僕は涙を流しながらそれからテストまでリドルにビシバシ教え込まれた
「そういえば、その薔薇ボクにでしょ」
『ん、』
「ふふっ、ありがとう。キミの家の薔薇はペンキで塗ったように真っ赤だね」
『３日って意外に長いんだってことを思い知った』
「そうだね、でもAが頑張らないと３日じゃすまないよ」
『うぅ…がんばります』
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夜凪碧(プロフ) - こういうドロドロした共依存みたいな関係のお話大好きです…！！ (2021年3月22日 10時) (
レス) id: be53cfd8d7 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん(プロフ) - なるへそ､良いですね(￣¬￣) (2020年11月24日 17時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - 一人称が僕と俺が混ざっている事があるんですが、これは僕呼びから俺呼びに変えようかなって考えている思春期男子君の様子を表現してるのでミスではないです。 (2020年11月10日 2時) (レス) id: 9c2ab0c7d9 (このIDを非表示/違反報告)
要(プロフ) - 赤羽紫音さん» う、うひょっ。ラブコールいただきましたぁあ！ (2020年11月4日 16時) (レス) id: 9c2ab0c7d9 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽紫音(プロフ) - すき〜(キャラも作者様も) (2020年11月3日 1時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：要
| 作成日時：2020年11月2日 6時
