【QK】十人十色【短編集】 (ページ40)

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カイショウッテヤツ ymmt ページ40

your side

最近、彼氏と連絡が取れない。

大学と仕事が忙しいんだってさ。

寂しい、すごくすごくすんごく寂しい。

忙しいのはわかってるけどさ、少しくらい、電話くらい、いいかな。いいよね。彼女だもん。

そう言い聞かせて彼に電話をかける。

ｶﾞﾁｬ

『っ！あ、』

ﾂｰﾂｰﾂｰ

、、出た途端にきられた。え、それ彼女にする対応？

もうさ、付き合ってる意味ある？

悲しくて辛くて苦しくてもう逃げ出したくなって

『明日、少しでいいから話したい大事なこと』

そうメッセージを送る。

珍しく既読が着くのが早い。でも返事は来ない。

既読無視かよ。山本祥彰。

あー、もうなんでこうなったの。いいや、風呂入ろ。

シャワーを浴びながら彼が好きだった曲や好きだった食べ物や楽しかった思い出が頭に浮かんで苦しかった。

シャンプーと一緒に目から溢れるものも洗い流して風呂を上がる。

携帯を見ると1件のメッセージ

[僕も話したいことあったからいいよ]

久しぶりのLINEは冷たい一言だけだったのに通知欄のよしくん、の文字で心が高鳴るこんな私が大嫌いだ。

会う場所と時間を決めるとまだ未読無視。

向こうの話もきっと私と同じだろう。

これで、さっぱり終わろう。

そして話し合いの日。

予想通り別れ話。私ももう終わりにするしかないと思っていたけれど彼の口から出る言葉は酷く私を傷つけた。

それだけなら、まだマシだった。

彼は続けて

｢んー、僕さ今新しい彼女いるんだよね。｣

ってへらっと笑って言った。

頭は混乱しているのに口から出る言葉は

『浮気していたってことでいいの？』

と、いたく冷静な言葉だった

｢うん、まあそうなるねでもさ、｣

＿浮気は男の甲斐性って、言うだろ＿

『うん、カイショウッテヤツだものね』

そう言って微笑みかけると彼は少し驚いた顔をしてそして、少し傷ついたような悲しいような顔をした

お前がそんな顔をするなよ。

そう言いたかったのに彼の顔に弱い私は

『そんな顔、させてごめん。今までありがとう』

と、彼を攻めることも出来ずに

彼と離れることを決めた。

もう二度と、誰も信じない。