仮説 kwmr ページ22
your side
「今生きてる世界って、確かなのかな」
河村さんがふと口に出した。
言っている意味がわからない。
どういうことですか?
「ん〜 どういうことだろうね」
河村さんはこういう時、まず考えろ、とでも言わんばかりな表情とセリフを発するのだ。
そんなこと言ったって今回ばかりは言っている意味が本当に分からない。
いつもは答えのある問題ばかりで考えれば正解ではないにしろ自分なりの答えを出すことは出来る。
でも、この世界はたしかなのか、そんな漠然とした質問訳が分からない。
、、神である河村さんが作った世界と今の世界にズレがあるとか、そういうこと?
「はは、なにそれ 僕は神じゃないし世界を作ってないよ。面白い答えだけどね。」
「あのさ、世界五分前仮説って知ってる?」
なんですか、それ。
「僕達はさ、20何年前にこの世に生まれて毎日毎日毎時間毎分毎秒を生きた上で今があると思っているでしょ?」
そりゃまあ、だって実際そうですよ
「でもさ、それが【そういう記憶を覚えさせられて今誕生した】としたら、どうする?」
言っている意味がわからない。
「んー、なんて言ったら伝わるのかな。僕と君は今恋人同士でしょ?」
あ、はい、
「それはさ2人ですごした時とか色々あったからのものって僕らは思ってるでしょ。」
はい
「本当は、神が5分前に世界を作ってさ、この2人は恋人になるまで困難を乗り越えたっていう設定を付けて産んだとしたら?それを否定できる論理も根拠もないんだよ」
、、つまり私たちの過去は偽物かもしれないってこと?
「そういうこと。 僕達はこうやって生きてきて辛いこととか沢山あっただろ?でもさ、もし僕らが本や、漫画、映画の登場人物だったら神というか作者が考えた設定でついさっき生まれたってことになるんだよ。」
「僕らがどれだけ苦しんでいたかも伝わらずたった一部を切り取られて僕らの知らない向こう側の世界の誰かを楽しませてるんだ」
、、、つまり、何が言いたいんですか
「、、聞きたい?」
、、、はい。
「僕が言いたいのはdeletedeletedelete」
_______________
『んあーーー、描き終わらん!!!』
「また僕のこと使って小説だかなんだか書いてるの?」
『だって河村さんエモいんだもん、、』
「でたでたエモい。最近の若者は、、。」
『エモエモのエモなんですぅ』
「はいはい」
『河村さん』
「ん?」
『今生きてる世界って、確かなのかな。』
83人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やまだはなこ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月20日 2時