夏、君と。 ページ18
your side
暑い、暑すぎる。 ありえない。
8月某日、夏真っ只中。
『暑くないですか』
「暑いね〜」
『なんでそんなに福良さん涼しい顔してられるんですか』
「あはは、そんなことないよ暑いよ〜」
夏ってなんで来るのかな 地球温暖化とかなのかな。それにしても暑すぎるよ。
「そう言えばもうすぐ夏祭りだね」
「ふふ、そうですね〜」
『何こうちゃんにやけてるの どーせ例の彼女と行くんでしょ』
「なっ、いいじゃないっすか!!夏の醍醐味っすから!!彼女の浴衣姿見れるの夏祭りくらいなんすからニヤけたっていいでしょ!!」
なんて惚気を言ってるこうちゃんに笑いながらどうしようかな、なんて考える。
この歳になっても恋人どころか好きな人すらいない。
今年の夏祭りもマンションのベランダから花火を見ながら酒を飲むことになりそうだな
なんて考えながら仕事に取り組む。
気づいたらもう20時でぞろぞろとみんなが帰っていく。
私も帰ろうかな、なんて思ってると声をかけられた。
「あ、ねぇちょっといい?」
珍しく河村さんからだった。
『どうしたんですか?』
「もうすぐ夏休みでしょ。それで夏祭りがもうすぐあるでしょう?企画として夏祭りに絡めたクイズだそうかなって思ってて」
そこで止まった河村さん
『いい企画ですね 視聴者さん喜びそう。それで?』
って声をかけたらまさかの
「企画の下見のために一緒に夏祭り行きません?」
なんて言われてちょっとだけときめいた。
『今年も1人で過ごすことになるかと思ってたってメチャ嬉しいです笑 ぜひ行きましょう!』
なんて言うと河村さんがほっとしたような、なんとも言えない顔をして少し自惚れてしまいそうになった。
これは企画のためだし てか私河村さんのことそういう意味で好きなわけじゃないし。
いつもと違ったせいでドキッとしただけだし。
自分に言い訳をかましてその日は解散した。
家に帰って、浴衣を探してみる。
浴衣着てったら変かな、企画なのに浮かれすぎ?
でも、数年ぶりなんだし一年に一回くらい浮かれてもいいかな。
水色の生地に花びらの柄の浴衣を見てやっぱり可愛いなって思う。
、、うし、着ていこう。
その日から夏祭りの今日まで河村さんと大して話すことは無かった。 1回だけ何時にどこどこに集合ってLINEがあったくらい。
業務的だなーなんて思いながら浴衣を着ていった。
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作者名:やまだはなこ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月20日 2時