テトテ izw ページ13
yourside
あとちょっとの勇気があれば
あと少し！！ 頑張れ！今日こそ！！
『おはようございます〜』
元気よくオフィスのドアを開ける。今日はこうちゃんと山本さんと伊沢さんと福良さんの日のようだ。
｢おはよ〜 少し遅いんじゃないの〜？｣
なんて伊沢さんに言われて話しかけられて嬉しいのに
『はい？遅刻常習犯に言われたくないです！』
なーんてきつめにあたっちゃって。
ああーー、なんでこう上手くいかないの！！
本当は、甘えたいのに。
頭いいんでしょ？隠してしまった私の事、気づいてもいいんじゃないの？それとも、気づいた上で無視してるの？
隣の机で作業する伊沢さん。
ちょっと手を伸ばせば繋げちゃう。
心の距離はどうなの？ 物理的に繋げたって意味ないじゃん。
ねえ、手と手を繋げる距離に、ほんのわずかだけでいいの。
今日こそ、超えてみせるから。
なーんて言ってから何ヶ月たったの！！
モヤモヤしながら記事を書いていると
｢なんでそんな顔してんの笑｣
おりゃ、って私の眉間触るの。
ずるいんじゃないの。分かってやってるでしょ。
『ほっといてください』
って言葉を飲み込んで、今日は少し頑張ってみる。
黙ったまま気持ちを込めて目を見つめる。
｢ん？どした？、、えっ、怒った！？ごめんごめん！｣
はあああああ、、ほんとに鈍感男！！！
ほんの少しでもいつもと違う私になんで気づいてくれないの！
『ほんと、そういうとこですよ』
｢そーだそーだ〜 ってわけで俺たち帰ります！｣
と、ほかで作業していた山本さんとこうちゃんはかえるらしい。
｢じゃあ僕も作業終わったし帰ろっかな｣
福良さんも立ち上がる。
おっとこれは久しぶりの二人きり？
、、、行くしかないでしょう！
伊沢拓司。私をなめんなよ。
『じゃあ私伊沢さんの面倒見ながら少し残ります』
｢はは、よろしく頼んだよ〜 おつかれ〜｣
｢俺、面倒みられるような立場！？CEOだけど！？、、まあ、おつかれ｣
二人きり。 さあ、今しかないぞ私。
、、ああ、。神様。
ウルトラミラクル勇気、力をください！！
眠れない夜もあなたのことを思っていたの。この気持ち、ぜんぶつたえてやる。
『あのね、伊沢さん。私、、伊沢さんのことが！』
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作者名：やまだはなこ | 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月20日 2時
