いつか sgi ページ1
your side
あなたが私の前で大人っぽくいたかったことしってるよ。 かっこつけたかったのも知ってるよ。
だから私もあなたの前では子供ぶっていたの。
あなたのためを思って。
あなたが喜ぶと思って。
ねぇ覚えてる?私たちが初めて2人で出かけた日のこと。
二人で話しながら坂道を登ってさ。都会なのに電灯やビルの灯りの届かない山の上で私たち星を見たよね。
隣にいるあなたを見たらいつもと違う子供みたいな顔で星を眺めるもんだから、思わず可愛いなって思ったの。
ハッとしてキリッとした顔をしたあなたを見ながら私は地べたに寝転んで星が綺麗に見えるのって馬鹿らしく声を上げてさ。そんな私を見てふっと笑って、どうせAらしいなって思ったんでしょ。
星空が私たちを2人だけみたいに映すから思わず時間を忘れて夢中になったなぁ。これは本当よ。
帰ろっか、赤信号がもう点滅してるよ。そう言って君は初めて私の手をひいたね。
カッコつけてるけど耳まで真っ赤なの暗闇でも分かるのよ。
寒いもんね、なんて返した私は可愛げがなかったかな。 それでも本当に本当に、大好きだったの。本当よ。
それからたくさんの日をすごしたね。
雨の日は2人で傘を指して歩いてさ、晴れの日は公園でブランコに乗りながらそしてまた、星を眺めてさ。
帰り道の押しボタン式の信号機、いつも私が走って押しに行く。そんな私が好きだったんでしょ?
私あの時は本当にはしゃいだのよ。大きめの公園の湖にボートで揺られながら寝転がってさ、本当に宙に浮いてるみたいだったの。
そんなふうにはしゃいでる私を見て、あなたはもっとはしゃいでたね。カッコつけはどうしたのよ、なんて心でツッコミながらそんなあなたも大好きだった。
ずっとずっと、一緒だと思ってたの。本当よ。嘘つきなんて言わないで。少しくらい信じてくれてもいいじゃない。
ほんとはね、もっと、頼りたかったの。
頼って欲しかったのよね?うん、分かってる。
でもごめんね、私が悪いの。
あなたといると楽しくて、だから暗い話題なんて出したくなかったの。
あなたが好きだから隠してたの。
あなたと居ればこんなのへっちゃらって思ってたの。
1度だけ、大丈夫?って聞いてくれたよね。
素直に甘えれたら、今でも一緒にいたのかな。
ずっとずっとあなたと同じ景色を見て、だんだん私も素を出せるようになっていたのかな。
もう会うことは無いけれども
それでも最後に言わせて
またどっか遠くで
いつか
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作者名:やまだはなこ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年5月20日 2時