【QK】十人十色【短編集】 (ページ26)

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悪魔 sgi ページ26

your side

いつもいつも寂しい顔してさ、
早く、こっちこればいいのに。

｢なぁー、まただよ～｣

オフィスで大きな声を出すのは須貝さん。

動画内でも動画外でも声が大きいのは一緒なのだ。

｢なんすか須貝さん｣

伊沢さんが聞く。どーせまた例のやつでしょ。

｢彼女がさ～、また男友達と飲みに行くんだって！！えっ！俺とじゃダメなの！？ねぇ～、、｣

｢しらないっすよ、つか理系なんだし男友達多いのしゃあないの自分でもわかってるなら毎回大声出さないでくださいよ、、｣

『彼女さんのこと、大好きなんですね～』

｢おっ、よくわかってるじゃん～ぃやー須貝乙女だから須貝心わかるのはAしかいないね！｣

名前を呼ばれてドキッとする。

そうだよ、須貝さんのこと、1番わかってるの私でしょ。

『乙女同盟ですね～』

｢ね～俺ら乙女だもんね～｣

｢ハイハイ、ふざけてないで編集やら仕事仕事｣

福良さんに叱られて仕事を再開する。

いつもいつも彼女は悪魔だ、俺のことわかってくれないとか言うくせになんだかんだ大好きなんだよね。

それが痛いほどわかるからすごく嫌。

私、男友達少ないですよ。

私、須貝さんの気持ちわかりますよ。

私、須貝さんのこと、大好きですよ。

私に、すればいいのに。

こんな気持ちになる私の方が、よっぽど悪魔だ。