Be attracted to green.１

墓まで持っていく ページ49

としみつside


披露宴に出る前にAさんの部屋に行くとご家族が勢揃いで、結婚の挨拶が1番緊張したものの…ウエディングドレスに身を包んだAさんを見ると、旦那が俺でごめんなさいという気持ちになってくる…


と「こ、んにちは…」


「うわ！としみつさんかっけぇ…」


「きゃ〜！旦那さんすごくかっこいいじゃない！私たくさん写真撮っちゃお！」


「としみつくん、！娘をよろしく頼むよ！」


と「お、お義父さん、まだ泣かないでください…(苦笑)」


『もう、静かにしてよ。相手方のご家族に変だと思われるよ。』


と「すごく…綺麗だね。」



『ありがとう。ほら、お父さんたち戻りなよ。ゲストを出迎えてもらわないといけないんだから。』


「そうだな、じゃあまた後で。」



扉が閉まってふたりきりになる。


と「あ！そうだ、手紙読んだよ。」


『ふふふ、恥ずかしくて手紙にしちゃったんだよね。』


と「も〜おれ恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなかったわ。素っ裸見て笑われてたなんて。」


『あれはもう、お腹がつるほど笑ったの。お酒が回ってたのもあるけどね。』


と「なんか、俺がAさん好みの男を演じていたのもバレてるし、ざわくんのサポートもバレてるし、てつやは失礼だし。」


『ははは！(笑)』



と「この手紙俺が死んだら一緒に燃やしてもらうから。」


『今日披露宴なのに、そんな死ぬ時の話なんてしないでよ。(笑)』



夫婦水入らずで話していると、コンコンとノックの音がして、


「すみません、そろそろ準備よろしくお願いします。」


「『わかりました。』」


すっと手を出すと、レースの手袋を付けたAさんの細い手が乗っかる。


全身から汗が噴き出して蒸し暑いあの日を思い出した。

大事にするよ。と言った日のことを。

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