がさつな彼女は松川の彼女

第24話 大王様と王様 ページ25

松『……じゃあな、』






あ、、、





振り返らずに
彼は、



歩き始めた、








待って、




違うの、









お願い、









声が、、、、





一言、言うだけ、






言うだけ、









それだけ、




それだけなのに、なんで、



どうして、





私は、この手を







この、口を動かせないの。








この手で




彼を引き止めて









この口で、





送って、





って言うだけなのに






どうしよう、





彼の姿が、





見えなくなっていく、








いや、









お願い、









待って、









貴『待ってっっっ！！』




しーんとした、中、





私の声だけが響く、





大きな声をあまり



出さない私に




びっくりしたのか、


目を見開く一静、





貴『あ、う、、、、
あー、えっと、、、、、、、』






送って、



言うんだ。




貴『いっせ、、





送って、、ください。』






だんだんと、自分の声が小さく


なるのがわかった






あぁ、これじゃあ、



聞こえてないかな。





下を向いたまま、


私は、



黙り込む事しか、



できなくて、








ごめんね。



こんな、送ってって

素直に言えなくて、




ごめ、、、、






松『こーら、下向くんじゃありません、
ほら、上向いて、






俺に、そのかわいい顔見せて？』







すっと、私の顔を



包むように



両手で



上を向かせる


一静、







松『送って、本当にいいのか、』




って、



彼は私をしっかりと見て



真剣な顔をして


言う、





私は、



声が出なくて、





こくん、



と頷いた、








松『それじゃ、、、』




と、彼は




私の荷物を持って



片手は



私の手を取り





松『玄関まで、送りましょうか、
ね、Aさん、』







貴『うんっ、！』









ちゃんと、言えた。



送って、って


声、小さかったけど。





伝わってよかった。






2人で並んで帰ることが


すっごい楽しくて、







でも、





玄関前に来てまった。




私は彼に



貴『ありがとう、送ってくれて
楽しかった』





って言ったら、




松『よかった、』



って優しく笑った。





すると、彼は



私に言った、




松『なぁ、A、
俺、お前さんの家族の話、聞きたいな、』





私が何か


隠してることは


彼にお見通しなのだろうか

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