anytime （渡辺） (ページ3)

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_渡辺side

「んで、昨日はどうたったの？わら」

メイク中、鏡越しにふっかが俺を見ながらニヤニヤしている。

『どーって、なにがだよ』

深「 Aちゃんとなんか進展あったのかって話」

『いいよ、その話は』

深「何もなかったってことね！わら」

なんか、ふっかに言われると腹立つんだよな。

なんでだろ。

深「まじでヘタレだよね翔太って」

『うるせえなまじで』

Aのことはいつからだったかはもう忘れたけど

気付いたら好きになってた。

妹みたいなもんだって勝手に思ってたし

絶対好きになんねーって思ってた。

でも気づいたら他の女の子と居るより

Aといるほうが楽しいし楽だし

何よりAのことめんどくさいなんて

思ったこと一度もないなって。

いつも笑ってて俺の我が儘にも

グダグダ言いながら結局付き合ってくれて

そして女の子の王道を走ってる感じ。

俺のタイプってまさにAじゃんって、

ていうか、俺ってAがタイプなんじゃなくて

Aが好きだからタイプがそっちに寄っただけって

気付いた。

気づいたからといってAとの10年以上続いたこの関係を簡単に変えるのは難しくて

違う女の子と付き合ってみたりもしたけど

全然しっくりこないし。結局すぐ別れるの繰り返し。

深「 Aちゃんて今年いくつだっけ？」

『 25 』

深「 25とか結婚考え始めんじゃない？どうすんの急に結婚する！とか言い出したら！わら」

『ないだろ、彼氏もいないみたいだし』

深「分かんないよ？今日運命の人と出逢っちゃってすぐ結婚決めちゃうかもよ？女の子ってそんなもんじゃん月日じゃないでしょ」

言ってることは間違ってないけど

やっぱりふっかに言われるとなんか腹立つんだよな。

『分かってるわ』

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