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第32話 ページ33

黒尾side


烏野のマネが言った言葉。

「Aちゃんがいつもいそうな場所なら〜…」

体育館裏の坂道、屋上…は開いてねぇか。
まさか体育館の…?いや、いない…か。

黒「!」

振り返ったそこには一際大きな木があった。










いた。









黒「なーにやってんだお嬢サンこんな所で。」

『……』

静かに近づいた俺にすぐに気がつき、視線だけこちらに向ける。
なんか、見下ろされるって不思議だな。

プイッ

黒「………ぶっ!!ひゃひゃひゃひゃひゃ!」

『…な、なんですか!』

思わず吹き出してしまった。いつもと違って面白くて…

黒「あー腹痛ぇ!……やーっと口聞いてくれたなぁ。」

『!』

しまった、みたいな顔しちゃって。
あ、まーたそっぽ向いちゃった。
降りてきてくれそうにないな、仕方ない。

黒「ぃよっ、ほっ…」

おいなんだよこの木…どうやって登ったんだよ!
ったく身軽にも程があるぜ…
木の真ん中くらいの所で立ってるAちゃんの横に着いた時

黒「うわ、すげぇな…」

葉っぱが無いところから見えるのは大きな月と星。
俺は枝に座り、チラッとAちゃんを見た。
月に照らされた少し悲しそうで綺麗な顔。

『何で、分かったんですか?』

黒「んー?…………内緒。」



この間の昼も、中庭の時も…



黒「Aちゃんは、いつも高いとこにいるな。」

『……好きなんです。』

真っ直ぐ前を見たまま。

『普段見える景色とは違って、気持ちがよくて…全部忘れられるから。』

黒「そっか…」

深くは聞かなかった。
Aちゃんなりに思うことがたくさんあるんだろうな。

黒「んで、なんで避けてたんだ?」

優しく問いかける、一番聞きたかったこと。
昨日の事なら謝らなきゃいけない。

『……昨日…』

やっぱそうか。

黒「いや、悪かっ…え?」

何故か顔を赤くしたAちゃん…
え?何??怒ってるとか…??ちょ、待っ…






『名前。』






黒「??」

『昨日私の事、呼び捨てで呼んでくれましたよね…』

黒「…えと……」

そう言われてみれば、雰囲気で思わず呼んだ気が…え、え??


『今日は…何でちゃん付けなんですか…?』


少しムスッとしていて、でも赤い顔。


黒「…プッ…ハハハッ!」

『なっ何でまた笑う…っ』



なんだ…そんな事だったのか。
俺は勝手に思い違いをしてたんだな…
















黒「おいで、A。」

















細くて小さな手を引いて…






やっと隣に座ってくれた。

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設定タグ:黒尾鉄朗 , 音駒 , ハイキュー!!   
作品ジャンル:アニメ
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極東華梛魏(プロフ) - みるくさん» みるく様 ありがとうございます!嬉しいお言葉感謝です🙌 (2022年2月27日 10時) (レス) id: e283a3dbc4 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 最高でした😭😭 (2022年2月26日 21時) (レス) @page50 id: ec7e47412c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:極東華梛魏 | 作成日時:2022年2月6日 18時

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