第20話 ページ21
黒尾side
あれ、俺何してたっけ…
ボールが顔面に当たってAちゃんの声が聞こえた気がしたんだが…
『あ、気がつきました?』
黒「……!?」
目が覚めると目の前にどアップのAちゃんが…???
俺に体重を掛けないように乗って…
え!?乗ってる!!??
『よいしょ…っと。』
え??今俺に乗ってたの???
軽すぎて全然分かんなかったけど…
目が覚めたばかりで頭が余計に混乱してるんですケド??
『顔面にボール当たったの、覚えてますか?』
黒「あ、ああ…」
俺は体を起こしてさっきの出来事を思い返す。
アレは(妄想という名の)考え事してたのが原因で
ボールが飛んでくることに全く気がつかなかった俺のミスだ。
黒「カッコ悪ぃ姿見せちまったな、ハハ…」
『そんな事ありません。試合やってる時の先輩も、とてもかっこよかったです!それより、具合はどうです?まだ痛みますか?』
顔が近づいてくる…!
黒「いやいやいや、もう大丈夫だ!ありがとな。」
『ホント心配しましたよ。でもよかったです。』
黒「心配掛けて悪かったな…」
ポンッとAちゃんの頭に手を乗せる。
前みたく、えへへと笑ってすり寄る仕草は健在だ。
………………
おいまさか……
ここまで運んでくれたの……まさか…???
念のため恐る恐る聞いてみる。
黒「ここに運んでくれたのは、誰だ?」
『え?私が運びましたよ?』
って言ったらどうしよぉどうしよぉ!!!!
テンパる!!俺テンパるよ!!??
『あ、犬岡君がおぶってくれました。あと夜久先輩も着いて来てくれましたよ。』
黒「そ、そうか…」
よかっっったああああぁぁぁぁぁ…!!
『先輩?』
黒「いや、何でもない。皆心配してるだろうし戻るか。」
『はい。でもあまり無理しないでくださいね?』
黒「大丈夫だ。」
後ろをちょこちょこついてくるAちゃんを時々振り返りながら見るのはちょっと幸せな気分だ。
その度にニコッと笑う顔を見られるのは、今俺だけの特別。
ほんの少しだけ、ボールが当たった事に感謝するか。
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極東華梛魏(プロフ) - みるくさん» みるく様 ありがとうございます!嬉しいお言葉感謝です🙌 (2022年2月27日 10時) (レス) id: e283a3dbc4 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 最高でした😭😭 (2022年2月26日 21時) (レス) @page50 id: ec7e47412c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:極東華梛魏 | 作成日時:2022年2月6日 18時