第10話 ページ11
黒尾side
今は夜の7時過ぎ。
殆どの部はとっくに終わって帰ってる筈だが…
黒「今帰りか？」
何か部活をやってない限り、こんな遅くまで残る生徒なんていないと思うんだが。
『え、あ…まぁちょっと色々ありまして…アハハ…』
黒「なんだ〜その含みのある言い方は〜」
『せ、先輩こそ！いつもこんな時間まで部活やってるんですか？』
黒「ん？ああ、いつも大体この時間だな。」
『そうなんですか…お疲れ様です！』
な…なんて可愛い笑顔で言うんだ！？これはヤバい…
そんな顔でお疲れ様です！なんて言われたら他の奴らなんてイチコロだぞ…！
平常心…平常心………落ち着け、俺！
黒「あんがとな。とりあえず出るか。」
『あ、そうですね。』
今の俺、普通に言えたか？顔引きつってねぇよな！？
片手で口元を押さえつつ校門まで来た。
少し後ろを歩くAちゃんは立ち止まって俺を見る。
身長差があるからか自然に上目遣いになるAちゃん。
か、可愛ry殴))ｺﾞﾎｯ…
黒「もう暗いし送ってくわ。家、どの辺なんだ？」
『あ、いえ私は…』
黒「女の子一人で帰らせるわけにはいかねぇだろ。こういう時は男にカッコつけさせろよ？」
っかーーー！！何言ってんだ俺！！！！はっず！！！！
『いいんですか？ありがとうございます。家はあっち方面で…』
黒「お、なんだ俺ん家と同じ方向か。んじゃあ行くか。」
『はい！』
ついこの間まで必死に探していた女の子が今、隣を並んで歩いている…なんか不思議だな。あれだけ探していたのに…まさか転校してきて、しかも研磨と同じクラスだなんて。
それよりも、少し引っ掛かっていた事がある。
黒「なぁ、あのさ…」
『はい。』
黒「俺を助けてくれた時、何ですぐ居なくなっちまったんだ？」
『あの時トラックの運転手さんが駆け寄ってきて、大丈夫か？怪我はねぇか？って聞いてたじゃないですか。』
黒「ん？ああ。」
『そのやり取りを見ててお二人に任せて大丈夫そうだなって。それに、知らない人が居ても余計に混乱するかと思って。………もしかして私、余計な事を…？』
黒「ま…まぁ確かに居なくなったのは驚いたし、正直…すげぇ探した。」
ホントに…自分でも驚くほどに必死だった。
黒「けど今はこうやって再会できたんだ。運命の再会ってやつ？に感謝しねぇとな！」
『…っはい、そうですね！』
俺はまた、ふわりと笑うその顔に釘付けになっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
極東華梛魏(プロフ) - みるくさん» みるく様 ありがとうございます！嬉しいお言葉感謝です🙌 (2022年2月27日 10時) (
レス) id: e283a3dbc4 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - 最高でした😭😭 (2022年2月26日 21時) (レス) @page50 id: ec7e47412c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：極東華梛魏 | 作成日時：2022年2月6日 18時
