鈴の音色 2【HQ 西谷夕】 (ページ40)

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第83話ページ40

西谷side

俺は複雑な気持ちを抱えたまま過ごしていた。あれから夜月さんとは会話をしていない。
そして全教科のテストが返ってきた。
結果は…

西「これが先輩の！」

田「実力だぜ！」

菅「お前らだって、40点の赤点ギリギリじゃん。」

ギクッ
確かに偉そうな事言ってるけどホントにギリギリ。教えて貰ってたとはいえ元が全然出来ないからな…
そんなこんなで俺と龍は赤点を免れた。
翔陽と影山がまさかの数点足らず追試だと…

菅「というかお前ら、勉強教えてくれた縁下たちにお礼言えよ？もちろん、あの子にもな。」

田「もちろんでっす！！」

西「…うっス！」

そうだ、赤点を免れたのは他でもない。
勉強を教えてくれた夜月さんのお陰だ。もちろん力や一仁や久志も。

この間の一件から話してねぇな…なんか気まずいっつーか、話し掛けづらい。
でもお礼言わないと…

田「………なぁノヤっさん。これで夜月さんとも話すこと、無くなるのか？」

西「……俺にも分かんねぇ…」

クラスが同じなら何かしらで話す可能性はあるけど、こっちから振らなきゃきっと…

月「西谷先輩は同じクラスなのに、まだ本人にお礼言っていないんですか？」

山「あ、そういえば同じくクラスでしたっけ。」

テストが返ってきてからはまだ…言えてない。言おうと思って席を立ったら、そこにはもういなかったから。

月「らしくないですね。」

月島に何も言い返せなかった自分が、情けない。