第82話 ページ39
西谷・烏養side
(鳥)
中途半端に聞いた西谷には悪いが、これ以上夜月の口から話させるわけにはいかない。
鳥「悪ぃな夜月、勝手に付いてきて話さなくていい事まで言わせちまった。」
西「……」
鳥「西谷、今日んとこは帰るぞ。明日から部活もあんだ。しっかりやれよ。」
怠ける事はないだろうけど、集中切らして怪我でもされたらたまったもんじゃねぇからな。
西「……うっス。」
鳥「じゃあな。恩は必ず返すぜ。」
このままじゃ埒が明かない。引き上げさせるのが得策だ。
(西)
西「……また明日な。」
ろくに夜月さんの顔も見られず、烏養さんに付いて行くのがやっとだった。
西「烏養さん。」
鳥「あ?」
烏養さんは知っている、夜月さんの事。
西「聞いたんたスよね、…夜月さんの事。」
鳥「そうだ。谷地さんが言ってた事が引っ掛かってな。」
俺は怖くて聞けなかった。知ってはいけない領域みたいなものを感じて…
(鳥)
西谷はきっと親御さんには聞けなかったんだろ。
俺だって、じーさんに聞いたら話したくなさそうな面してたからな。
鳥「俺も、そこまで深く知ってるわけじゃねぇよ。」
西「……」
鳥「あまり教えてはくれなかったからな。」
知っているのは…ほんとに僅かな事だけだ。
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作者名:極東華梛魏 | 作成日時:2021年8月2日 20時