鈴の音色 2【HQ 西谷夕】 (ページ24)

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第67話ページ24

Aside

木下君の数学を教えながら感じた。
西谷君が…いや、きっとバレー部の人たちは気になり始めている事は分かった。
特に西谷君は色々想像して聞きたがっている。
けど、聞いてはいけない事だと思っているのか何も言わない。

『～…だから、9x^2－9x＋aとして～…』

木「うんうん…」

木下君は飲み込みも理解も早い。一度教えたらほとんど自分で解ける。

『さすが、理解が早いね。』

木「い、いや、夜月さんの教え方が上手いからさ！分かりやすいんだよな～」

『これなら応用もできるね。他分からないとこは平気？』

木「う、うん。何かあれば聞くよ。ありがとう！」

さて、さっきから黙ってこちらを見てる彼は何を訴えているのか。
勉強の事なのかさっきの事なのか…

西「っ！」

分かりやすい人。おもむろに視線を反らした彼は気まずそうにしている。

雪「A～化学ヤバい～」

『何がどうヤバいのよ…』

私は隣に向き直ってあーだこーだ言って悩む雪の勉強に付き合った。
向かいからの視線を感じながらも気にせず、まるで子どものような顔をした雪に分かりやすく説明を始めた。