第45話 ページ2
Aside
月曜日の朝は雨が降っていた。
どんよりと暗く厚い雲の掛かった空は、あの日を思い出す。
『嫌な空気…』
天気予報では夕方からは晴れると言っていた。でもきっと、私の心は晴れることはない。
目的を、果たすまで。
いつもの道を歩いていると、後ろから声を掛けられた。
日「あ、ああああの!夜月さん…ですよね!?」
『…?』
誰だろう。オレンジ色の髪の私より少し背の高い明るい子。
日「あ、す…すみません突然!俺、1年でバレー部の日向翔陽って言います!」
バレー部…あぁ。
『西谷君や田中君の…』
日「そうです!!ノヤさんや田中先輩から夜月さんの事聞いてまして…」
なるほど。
日「この間、屋上にいるの見掛けたんスけど、その、声掛けられなくて…えっと〜…」
『それでわざわざ、今日声掛けてくれたの?』
日「ひっ…あ、え、いや〜その〜…」
挙動不審というかなんというか、変な子。
『…とりあえず、一緒に行こうか。』
けど、明るい笑顔。そういえば誰かも、こんな風に笑ってたな。
日「えっ!で、あ、っと、お…っ、、、お願いします!!」
バレー部の人たちって、みんなお辞儀90°なの?
けど、不思議と嫌じゃなく心に掛かる嫌な空気を取り払ってくれるような、そんな人たち。
バレーについて、メンバーについて熱く語るその子は、まるで太陽みたいだった。
日「ありがとうございました!」
私は手を振って教室へ向かう。
雨の日も、悪くないかなと少しだけ思った。
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作者名:極東華梛魏 | 作成日時:2021年8月2日 20時