ドロップ (ページ48)

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story29(Dy) ページ48

《ピアノの音》

いつも放課後に職員室の前を通って階段を登って三階にある音楽室。
そこから流れる綺麗な音色、

とても品のある音色、
僕はそれがとても気になって仕方がなかった。
誰が弾いてるんだろう、
気になるけど確かめる勇気がなかった。
だからいつも階段の壁に寄りかかってバレないように聴いていた。

これが日課になってから2ヶ月。
いつものように聞いていたらいつの間にか寝てしまっていた。
僕の膝にはひざ掛けが1枚、
随分親切な人なんだな、そんなことを思いながら次の日ひざ掛けの持ち主を探し出す。

次の日の放課後、あれから結局探し出せずにいた。
またいつものように音楽室の方まで向かう。
もしかしたらこのひざ掛けはあのピアノを弾いていた子のじゃないのかと何となくそう感じていた。

勇気をだして音楽室の前に来てみる。
バレないようにそっと、そっと、、、、

その時バランスを崩してコケてしまった、

いてっ！、、！っ、、、、

『あの、、、、』

音楽室から出てきたのは、黒髪のロングヘアの女の子、どこか品のある雰囲気のある女の子、その子を見て一瞬で僕の中の何かが揺れ始めた。

Dy「あっ、すみません！僕、、、」

『いつも聴いてくれてるんですよね....？』

Dy「えっと、、、」

『それ、私のひざ掛けなんです、昨日眠ってしまってるところをみて、、、』

やっぱり君のひざ掛けだったんだね、

Dy「あの、続き聴かせてください、」

そういうと彼女は続きを聴かせてくれた。

ピアノを弾いてる姿は遠くから見るのと違って僕の心を大きく動かした。
僕は確信した。

あぁ、僕はこの子に恋をしたんだ、
好きなんだ、、、、

Dy「名前聞かせてください」

『Aです、』

僕はAに恋をしたんだ、

いつかきっと君を振り向かせたい、そんなことを思いながら君のピアノを弾いている姿を眺めいた、、、。

Fin.....