ドロップ (ページ41)

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story23(Jn) ページ41

Jn 「A？どうしたのぼーっとして」

『え？あぁごめんね、なんでもない、ちょっと考え事』

ジャニをみる度あの時のことを思い出す。

私がSMエンタの事務員につく前は練習生として生活してた。
アイドルにならなかったのは自分でも明らかに実力がなくて伸びなかったからかもしれない。
練習生の時、私はみんなと比べて上手じゃなかったし遅れをとっていた。
だから周りからも色々悪口を言われたりすることもあった。
どんなに努力をしてその時上手くいって先生に褒められても周りからは
「こんなやつ」
って言われていた。

ある日のこと練習を終えて御手洗に行って戻ろうとした時、同じ練習生の子達の声が聞こえた。聞き耳を立ててみると明らかに私の悪口を言われている。
悪口なんて聞きなれたもんだ。
最初は悔しくて泣いて落ち込んだこともあったけど今は慣れてしまった

《あいつアイドルになれると思ってんのかね？》
《馬鹿だよねー、早く退所しないかね》

分かってるよ。自分に実力のないことくらい。
でももっと何倍も頑張ればなれるって信じてた。

Jn「君たちに他人を馬鹿にする権利はあるのかい？他人を馬鹿にする時間があるならもっと練習した方が良くないかい？他人を馬鹿にすればするほど君たちの実力も落ちてしまうよ」

背の高い男性が現れて反論した。
うっと苦い顔をして立ち去っていく子達。

Jn「そこにいるんでしょ？出てきても平気ですよ」

良く見てみると韓国人とは思えない顔のとても整った男性。

Jn「練習生のジャニです、あなたも練習生ですか？」

『はい、そうです、あの、、、ありがとうございます』

Jn「僕は何も、」

そう言って立ち去ってしまった。

あれから月日が流れて私はアイドルになる道を辞め事務所で働いている。
今思えば逃げ出したことに違いないと思う。
だけどきっとこの選択は間違っていなかったんだなと思っている。

『ジャニ、あの時はありがとう』

Jn「ん？あの時って？」

『覚えてないの？』

そう言ってあの出来事のことを話すと

Jn「あー、そんなことあったね」

ジャニと練習生時代を懐かしく話していた。
今こうやって頑張れるのもジャニのおかげ。

ありがとうジャニー。

Fin.....