第5話 ページ5
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「…さむ」
正直、驚いた。
今まで通り、愛想よく、でも普通に振舞っていたのに
"人前では目立たず、普通に、愛想よく"
これは私が20年間の生涯で学んだ教訓だった。
こうして、欲しいものは全て手に入れてきた。
友達だってたくさんできたし、そらくんみたいに私を好いてくれる男の子だって。
なのに、
「…なんかうさんくさいね、Aちゃん」
思い出すだけで腹が立ってきた。
「ほんと性格いいよね」なんて言われるけど、自分で言うのも癪だが本当は腹黒いし、酒癖悪いし、こんなファッション好きじゃない。
そんな奥深くに閉じ込めていた私を、あいつ、名前は忘れたがあの赤髪のやつは、見透かしていたんだろうか。
「…どっちにしろ気に入らない」
わざとどすどすと音を立ててコンクリートを蹴る。
マフラーに顔を埋めてスマホを取り出すと、真っ黒な画面に映った人の顔。
「ひっ」
「やっほー」
そこに立っていたのは、ちょうど私を不機嫌にさせていた張本人。さらさらとした赤髪が揺れる。冬だというのにサンダルに、上着も着ていない。バカじゃないの。
「…送らなくていいって言ったはずです」
「そんなつもり無いでーす、ビール買うだけでーす」
「…あっそ」
この赤髪は、私をイラつかせるのがとても上手いらしい。
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あや(プロフ) - ぜひ!ぜひ!ぜひ!続きを!!更新待ってます!! (2018年8月5日 22時) (レス) id: 5116ee690c (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - ☆ルナ☆さん» あと少しですがお付き合いください!(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 23時) (レス) id: fd69086671 (このIDを非表示/違反報告)
☆ルナ☆(プロフ) - キュンキュン/////(((o(*゚▽゚*)o))) (2017年11月29日 0時) (レス) id: 915f053575 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - Cさん» コメントありがとうございます!!これからもキュンを追求していきます…! (2017年11月24日 18時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 冬春@アバ小説更新中さん» こっちも嬉しいです…!これからもお楽しみください〜! (2017年11月24日 17時) (レス) id: 2a7f43fe4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タバタ | 作成日時:2017年11月6日 15時